自律神経が出入りする背骨が硬くなると、便秘や胃痛、イライラといった不調が現れやすい。背骨をねじってこわばった筋肉をゆるめることで不調を改善できるのが、「自律神経ヨガ」。「上ねじり」では肩や首の凝りやイライラ、「下ねじり」では便秘や腰痛を改善できます。

 内臓の働きや血流などを司る自律神経は、原則、自分の意思では調整できない。唯一の手段が「呼吸」で、ヨガに自律神経を整える効果があるというのも、ポーズとともに行う深い呼吸によるものが大きい。

 カイロプラクターでヨガインストラクターの石垣英俊さんが提案する「自律神経ヨガ」は、「背骨をねじる」ポーズで自律神経を整え、不調を改善する方法。「自律神経は背骨から各内臓につながり、働きをコントロールしている。硬く緊張した背骨をねじることでゆるめ、深い呼吸を繰り返すことで自律神経のバランスが整う」と石垣さん。

 さらに、自律神経は、臓器によって背骨とつながる位置が異なる。そのため、背骨の下のほうをねじる「下ねじり」、上のほうをねじる「上ねじり」では、効果も違う。どのメソッドも、約3分でできる。気になる症状のものから始めてみよう。

腸に効く! 便秘解消・下ねじり

脚をクロスして、肋骨の下から腰椎、骨盤までしっかりねじる「下ねじり」。腰椎の周辺で硬直した筋肉をゆるめてリラックスさせ、便秘や婦人科系の症状を改善する。腰痛の緩和も期待できる。

肩、首、背中の凝り、イライラ解消・上ねじり

上半身をねじりながら横に曲げる「上ねじり」は、肩甲骨と背骨の間の凝りをほぐす効果が絶大! 肩や首、背中の凝りや痛みを改善するほか、胃の不調、イライラなどのメンタル面にも効果を発揮する。

下ねじり

腰をねじると便秘、腰痛、月経トラブルが改善

腰をねじって深呼吸便秘や腰痛を解消
下ねじり のポーズ
肋骨の下から腰椎、骨盤までねじって大腸や子宮などにつながる自律神経を調整し、お通じやホルモンバランスの乱れによる症状を改善。硬直した腰椎周辺の筋肉もゆるむことで、痛みを緩和する効果も。

(1) 両ひざを揃えて曲げ背すじを伸ばす
両脚を伸ばして座り、両ひざを揃えたまま曲げて両手で抱え、体育座りの姿勢になる。腰が前後に傾かないよう、坐骨を床につけて背筋を真っすぐ伸ばすように意識。

(2) 右ひざを外側へ倒し左足でまたいでクロス
右ひざを外側に倒して体の正面に引き寄せ、足先は左のお尻の脇に置く。左足はおへその前で交差させ、右ひざをまたぐ。手を使ってサポートしてもOK。

(3) ひじをひざにかけてもう一度背すじを伸ばす
上体を左にねじり、左ひざの外側に右ひじを引っかける。左手は後ろの床に置き、胸を開いて上体を真っすぐにしたら、いったん息を大きく吸って背すじを伸ばす。

(4) ひじとひざを押し合って背骨を下の方からねじる
息を吐きながら、右ひじと左ひざで押し合うように背骨の下の方からねじっていく。お腹と胸を膨らませてゆっくり3~5呼吸キープ。吸って戻り、反対側も行う。

この人に聞きました
石垣英俊さん
神楽坂ホリスティック・クーラ代表(東京都新宿区)
鍼灸・按摩マッサージ指圧師、カイロプラクティック理学士。全米ヨガアライアンス(RYT200)ヨガインストラクター、日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ教師。近著に『背骨の実学』(池田書店)、『背骨から自律神経を整える』(清流出版)など。
www.holistic-cura.net

取材・文/オカモトノブコ、写真/鈴木 宏、図版/三弓素青、スタイリング/椎野糸子
ヘア&メイク/木下 優(ロッセット)、モデル/島村まみ、デザイン/ビーワークス

「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経ヘルス誌面でどうぞ。」

■ 雑誌(紙版と電子書籍版)
日経BP書店で購入する
AMAZONで購入する
楽天ブックスでで購入する
セブンネットショッピングでで購入する
日経ストアで購入する
全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店、ネット書店で購入できます。