コンニャクといえば「ダイエット」というイメージだが、近年、生芋コンニャクのセラミドに美肌効果があることがわかってきた。効率よくとるには、スムージーがお薦め!

生芋コンニャクには潤い成分グルコシルセラミドがたくさん含まれる
生芋コンニャクには潤い成分グルコシルセラミドがたくさん含まれる

 コンニャク=ダイエットというイメージだが、実は美肌効果もあることがわかってきた。

 肌表面の角層には、細胞と細胞の間を埋めるセラミドなどの脂質が存在するが、「加齢などによりこのセラミド量が少なくなると、細胞同士の結合が弱まり、肌内部の水分が蒸散しやすくなるため、肌のハリ低下や肌荒れ、小ジワの原因に。外部からの刺激にも弱い肌になる」と長年セラミド研究を行ってきたダイセル研究開発本部の向井克之さんは説明する。

 「ところが、生芋コンニャクから抽出したグルコシルセラミドをとると、肌でセラミドの合成に関わる酵素が増加し、セラミド産生が高まる。肌水分量が増加することも確認されている」と向井さん。

 向井さんは、「生芋コンニャクを1日100g食べることで、肌の潤いやかゆみが改善したという報告もある」というが、美肌効果を得たいなら、とり方には工夫が必要だ。

生芋コンニャクって何?

一般的なコンニャクはコンニャク芋から精製された「こんにゃく粉」を使用したもので、主成分は食物繊維のグルコマンナン。潤い成分のグルコシルセラミドはほとんど含まれない。グルコシルセラミドを含むのは、コンニャク芋から作られる「生芋コンニャク」で、原材料名には「こんにゃく芋」と表示されている。

 「コンニャク芋に含まれる水溶性食物繊維のグルコマンナンは、コンニャクを水酸化カルシウムで凝固させる過程で不溶性食物繊維になる。この結合は非常に強固で消化もほとんどされない」と大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授は説明する。つまり、抱き込まれたグルコシルセラミドはそのままでは吸収されにくいというわけだ。

 そのため、「コンニャクを細かく切るなど組織を小さく壊すことで、すき間からグルコシルセラミドが出てきやすくなる。さらにセラミドは脂溶性のため、油があればより吸収されやすくなる」と向井さんは説明する。

 コンニャクからグルコシルセラミドを効率よくとるには、少し油を加えてスムージーなどにするといい。低カロリーで満腹感も得られるから、ダイエットにもお薦めだ。

飲みやすくてビギナーにお薦め!
黒ゴマきな粉のコンニャクスムージー

【材料(1人分)】
生芋コンニャク …………… 100g
豆乳 …………… 100ml
黒すりゴマ …………… 大さじ1~2
きな粉 …………… 大さじ1~2
ハチミツ …………… 適量

【作り方】
1. 生芋コンニャクと豆乳をミキサーに入れてドロドロになるまで撹拌する。
2. 1に黒すりゴマ、きな粉を入れてさらに撹拌する。グラスに盛りハチミツをかける。

この人たちに聞きました
向井克之さん
ダイセル研究開発本部 研究推進部 主任部員
コンニャク由来グルコシルセラミドの機能性に詳しい。「コンニャクに含まれるグルコシルセラミドは肌のバリア機能を高め、かゆみや神経の過敏症を改善することも。アトピー性皮膚炎の予防・改善にも」。

青江誠一郎教授
大妻女子大学家政学部 食物学科栄養学研究室
専門は栄養化学。食物繊維や難消化性成分と肥満の関係などについて研究を行う。「コンニャクには独特の食感があり、低カロリーなので、ダイエット時に小腹を満たすにはもってこいの食材」。

取材・文/村山真由美、写真/福岡 拓、レシピ考案・料理/成沢正胡
レシピ協力/みゆきやフジモト、スタイリング/三谷亜利咲
栄養計算/原山早織(食のスタジオ)、デザイン/ビーワークス

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