体に溜まった余分な水分=リンパ液をスムーズに流すには、リンパ節が集まる関節のまわりをほぐすのが近道。自宅やオフィスでできる簡単なヨガで体も心もスッキリ軽~くなる!

“5大リンパ節を伸ばすポーズと深い呼吸でラクにリンパ液の流れを上げられる!”
“5大リンパ節を伸ばすポーズと深い呼吸でラクにリンパ液の流れを上げられる!”
深い呼吸でリラックス

 「座り時間が長い人や体の緊張が強い人は、リンパの流れが停滞して、顔や脚、お腹などがむくみやすい」と話すのは、鍼灸・按摩マッサージ指圧師で、ヨガにも詳しい石垣英俊さん。

 リンパ液を回収する毛細リンパ管には、自らリンパ液を押し流す作用がない。筋肉や筋膜、関節の伸び縮みなどで周辺組織が動かないと、リンパ液は流れない。ストレスなどによる体の緊張も、流れが悪くなる要因。

 リンパ液の流れが滞るもう1つの要因が、リンパ節。リンパ管の途中にあるフィルターのような役割を持つ部分で、脇の下や脚の付け根、ひざ裏などにたくさんある。長時間じっと座っているとこれらのリンパ節が圧迫されて、リンパ液の流れが滞り、むくむ。

 そこでお薦めなのが「リンパヨガ」。「肩や股関節などの関節まわりの硬くなりやすい筋肉を満遍なく使いながらポーズを取り、近くのリンパ節を刺激することで、滞りやすいリンパ液をめぐらせることができる。深い呼吸で得られるリラックス効果も、リンパ液を流れやすくする」と石垣さん。長時間の座り姿勢などで硬くなりやすいリンパ節の周辺を、ほぐそう。

リンパ液の“出口”を開きむくみや疲労を解消【鎖骨のリンパ節を刺激するポーズ】

リンパは末端から合流を繰り返し、最終的に鎖骨下の静脈角(じょうみょくかく)から心臓へと戻る。硬くなりがちな胸まわりをほぐし、静脈角での“リンパの渋滞”を解消することで、全身のリンパの循環を高めよう。

硬直したデコルテ、首の前側をゆるめる【デコルテ伸ばしのポーズ】

猫背の姿勢で硬くなり、縮んでいるデコルテから首の前側をストレッチ。手で押さえることで首からあごまでがしっかり伸び、静脈角へ集まるリンパ液の流れを促す。

(1) 手の指を組み、親指が鎖骨にかかるようにデコルテ全体を両手のひらで押さえる。

(2) 息を吸いながら、あごを突き出すように上を向いて、デコルテからあご先までを伸ばす。5呼吸キープする。

肩甲骨を寄せて胸郭周辺も柔らかく【魚のポーズ】

胸郭をゆるめるポーズ。肩甲骨を寄せて、ひじで支えながら首を伸ばす。ポーズの後、脱力してリラックスする時間を取るのが、リンパ液の流れを促すポイント。

(1) あおむけで両脚をそろえ、手のひらを下に向けてお尻の下に置く。腕は背中にしまい込むように両ひじを寄せる。

(2) 息を吸いながら、ひじで床を押して肩甲骨を寄せ、胸を開いて天井へ突き出す。頭頂部を床に着けて足先は伸ばし、5呼吸キープ。

この人に聞きました
石垣英俊さん
神楽坂ホリスティック・クーラ代表
鍼灸・按摩マッサージ指圧師、カイロプラクティック理学士。全米ヨガアライアンス200h修了ヨガインストラクター、日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ教師などの資格も持つ。『背骨から自律神経を整える』(清流出版)ほか、著書多数。

取材・文/オカモトノブコ、写真/鈴木 宏、スタイリング/中野あずさ(biswa.)、ヘア&メイク/薄葉英理(ロッセット)、モデル/原歩美、イラスト/三弓素青、デザイン/ビーワークス 

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