さあ筋トレを始めよう! と意気込んでいるあなた、ちょっと待って。座っている時間が長い人は、筋膜が固まっているかも。筋膜をほぐしてからの筋トレで、しなやかなメリハリボディに!

 デスクワークの人は、筋肉を包む筋膜をほぐすことから始めよう。「同じ姿勢を続けると特定の筋肉が固まり、まわりの筋膜は固くなり張りつく膠着(こうちゃく)する。その状態で筋トレをしても、狙った筋肉を鍛えられず、逆に筋膜の膠着を増長する可能性がある」とFIELD RIVER筋膜治療院の宇田川賢一院長。

 座り時間が長いと筋膜はどうなるのか。「首から背中にかけてガチガチに固まり、痛みや不調も起こる。太ももの裏の筋膜も縮んで固まり、立ち姿がゆがむ」(宇田川院長)。

 さらに、座っている姿勢のタイプ別では、「猫背タイプは中殿筋とハムストリングスに引っ張られて骨盤が後傾気味に、ミーアキャットタイプは中殿筋と腸骨筋に引っ張られて骨盤が前傾気味になる」と宇田川院長。座り時間の合間にこまめに「筋膜ほぐし」をしよう。押して圧をかけながら動かすのが基本だ。

明らかに背中が丸い【猫背タイプ】

パソコン画面に前のめりになり、顔が前に出ている猫背タイプ。胸の筋肉・筋膜が固まっている。

一見姿勢がいい【ミーアキャットタイプ】

背すじを伸ばした一見美しい姿勢だが、背中から腰にかけての筋膜が縮んで硬くなっている。

座ったままできる 腕まわりの筋膜ほぐし

デスクワークで凝った腕の付け根の筋膜をほぐそう。「気づかないうちに体重を支えていて膠着しがち」(宇田川院長)。腕も背中も軽くなる!

胸を開いて伸ばす【バンザイ筋膜ほぐし】

猫背タイプは胸の筋肉が縮んで筋膜が膠着している。反対側に伸ばそう。ミーアキャットタイプも膠着しているのでほぐして。

(1)ひじを引き、肩甲骨の間を寄せる
ひじを直角に曲げて両手を上げる。肩の高さでひじを後ろに引き、肩甲骨の間を寄せる。

(2)くぼみを押しながら腕を上げ下げする
右手で左の鎖骨の下の肩寄りのくぼみを押さえながら左ひじをゆっくり上げ下げする。

この人に聞きました
宇田川賢一院長
FIELD RIVER 筋膜治療院(東京都・港区)
あん摩マッサージ指圧師。鍼灸師。自身の不調を筋膜マッサージで改善し、筋膜治療師の道へ進む。著書『お尻をもむだけで痛みの9割は消える』(ダイヤモンド社)。

取材・文/羽田 光(編集部)、写真/岡﨑健志(モデル)、スタイリング/椎野糸子、ヘア&メイク/木下 優(ロッセット)、モデル/知美、デザイン/ビーワークス、監修/宇田川賢一

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