運動をしているのになかなかその効果が出ない、マッサージをしても凝りが解消しないという人は、筋膜が硬くなったり、癒着して筋肉の動きが制限されている可能性がある。“筋膜はがし”で筋膜をゆるめ、凝りなど体の不調を解消、運動効果を高めよう

 ストレッチやマッサージをしても凝りが解消しない、運動してもなかなかやせない。その原因は筋膜にあるかもしれない。「筋膜は主にコラーゲンの線維でできた膜で、本来は強靭でしなやかなもの」と解剖学の権威である、順天堂大学解剖学教室の坂井建雄教授。「真皮の下の浅筋膜は脂肪層を含む柔らかな組織。深筋膜はその奥にある筋肉がバラバラにならないように包むストッキングのような役割をしている」(坂井教授)。

 コラーゲンは多くあるほどいいと思うかもしれないが、坂井教授は「体を動かさないと、筋膜などのコラーゲン線維が増えて硬くなり、筋肉の動きが悪くなる。それが体の柔軟性低下の一因になる」という。

「同じ姿勢を続けていると、筋膜のコラーゲン線維の弾力が低下して硬くなったり、筋膜同士がくっつくことがある。すると、本来動く必要がない筋肉が一緒に動いたり、思うように動かなくなることで凝りなどの不調が生じる」(大久保さん)

 米国で筋膜の勉強を積んだトレーナーの大久保圭祐さんは「米国では、筋膜が硬くなったり、隣り合った筋膜同士が癒着した場合、押しながら動かすのがいいとされる。筋膜がゆるんで筋肉の動きが良くなり、凝りや痛みが解消。運動効果も上がりやせやすくなる」という。

筋膜はコラーゲン線維でできている硬くなると筋肉の動きや血流が悪くなる
 筋膜は大きく分けて2種類ある。一つは、解剖学的には皮下組織と呼ばれる、真皮の下にある結合組織と脂肪層が合わさった柔軟な「浅筋膜」。もう一つは、もっと深い場所にあって筋肉を直接覆っている強靭な「深筋膜」。「筋膜は主にコラーゲンの線維でできていて、増えて硬くなったり縮んだりすると筋肉の動きが阻害される」(坂井教授)。

腕の「筋膜」の存在を実感してみよう

 右腕を左手首の上に押し当て、左の手のひらを握ったり開いたりを繰り返しながら、右腕をひじに向かってゆっくり移動させてみよう。磯﨑文雄さんによれば、筋膜と筋肉の動きがわかるという。

この人たちに聞きました
坂井建雄教授
順天堂大学 医学部解剖学教室
「筋膜の硬縮は、筋肉が正しく動くのを阻害する一因。“筋膜はがし”の動きは、筋膜だけでなくその周囲の筋肉を複合的にほぐすのに有効なのではと推測している」

大久保圭祐さん
パーソナルトレーナー
「筋膜がほぐれてゆるむことで、本来のボディバランスが整いやせやすくなる」。著書に『筋膜ボディセラピーNATURAL BODY MAKING』(三栄書房)。

取材・文/羽田 光(編集部)、写真/鈴木 宏 、ヘア&メイク/日高のぞみ
スタイリング/椎野糸子、モデル/TOMOMI、デザイン/ビーワークス

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