寒くなるほど着込みたるのは人間の性ですが、気を配らないとどんどん着ぶくれするもの。でも、ちょっとしたワザを取り入れれば、冬のコートルックも驚くほど軽やかになります。ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが、コートを軽く見せる「お出かけ前のひとワザ」をピックアップして解説します。

 コートはあまりに当たり前のウエアだから、ついつい普通に着込んでしまいがち。でも、防寒を優先しすぎると、かさばって単調に見えてしまう。結果的に見栄えがもっさり。だから、着ぐるみ状態を避ける着こなしスキルが欠かせない。コートそのものの扱いに加え、ボトムスとのマッチングや小物使い、色バランスなど、コーディネート技の選択肢は幅広い。基本テクニックを覚えて使えば、コートルックはもうもたつかない。

バッグの斜め掛けが利く

 コートが重たく映るのは、装いの一番外側に位置していて、目に飛び込んでくる面積が広いから。つまり、コートの上から何かをかぶせれば、コートの強すぎる主張を抑え込める。マフラーが手っ取り早いが、意外に使えるのが、ショルダーバッグの斜め掛け。身頃を横切るから動きが出るうえ、バッグの量感が生きてボディーが細く映る。

 効果を強めたいなら、ショルダーを短めに調節して、高い位置にホールド。脇下あたりにバッグ本体が来るように斜め掛けすると、小気味よい見え加減に収まる。肩からまっすぐ提げても、すっきり感が出る。前を開けて、Vゾーンを広く見せるのも、重たさをそぐ。