着丈が長く、シルエットが細身の「チェスターコート」はこの秋冬も頼りがいがある。日本で人気が出たのは2014年秋からだが、2シーズン目を迎えて、コーディネートが成熟してきた。コートはしっかり着込むものと思い込みがちだが、羽織り物感覚で着やすいチェスターは前を開けてガウン風にも、新顔アイテムのコーディガン風にもアレンジしやすい。せっかく手に入れたチェスターだから、とことん着倒していこう。

◆ダスティピンク

 チェスターは色ごとに表情がかなり異なるから、カラーバリエーション別に着こなしを組み立てたい。たとえばくすみ感を帯びたピンクは重たさが出にくい分、フェミニンにアレンジしやすい。淡い色を引き立てるには、白が役に立つ。人気のホワイトルック(上下白)に重ねて、白のピュア感やクリーンさを際立たせるのも賢い操り方だ。カーディガンのように軽やかムードで羽織ると、やわらかい着映えを目に残せる。斜めがけにしたショルダーバッグも縦長感を引き出す。

◆ダスティブルー

 同じ「くすませ色」でもブルーはクールで若々しい印象が強まる。涼やかなトーンを生かして、オフィスで使いやすいすっきり系にも、プライベートになじむさわやかムードにも染められる。落ち着いた雰囲気にまとめるなら、相性のよい黒を味方につけて。ボトムスに黒パンツを迎えると、ブルーとの対比が生きてシャープに仕上がる。ダスティブルーのような淡い色と組み合わせるには、もっと濃いブルーや黒が濃淡のコントラストを生かしやすい。