上着を着ない装いが増えてくる季節は、ウエストを隠さない着こなしをあれこれ挑戦してみたいもの。ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんがストリートスナップからおしゃれなベルトゾーンを解説します。

 この春夏の着こなしは「ベルトゾーン」の演出がポイントになる。トップス裾の一部だけをボトムスに収める「ウエストゆるイン」をはじめ、サッシュベルト使い、バンダナ巻きなど、今季はベルトゾーンの上下で動きを出す小技がいっぱい。上手に操れば、ヌケ感やこなれムードを漂わせることができる。

左右でずらす「ウエストゆるイン」

 「ちょこっとイン」「前だけイン」など、いろいろな名前で呼ばれている、アシンメトリー(不ぞろい)のウエストイン。本来は全部の裾を入れるか、逆に全部をウエストアウトするかだが、そこをあえて「正面だけ」「左右のどちらか片方だけ」といった具合にわざと中途半端にするのが新しい。動きが出ておしゃれに見えるうえ、気取らないムードや、リラックスした雰囲気を醸し出せる。アウトして垂らした裾が縦長イメージを生む視覚効果も期待できる。

 トロピカルな植物柄のシャツは着丈が長めだから、ハーフインにぴったり。左右の丈違いが伸びやか気分を引き出した。パジャマ風ののどかなフォルムも休日気分にマッチしている。全体を脱力モードにまとめないで、靴はきれいめをチョイス。このバランスがこなれ感を生む。