冬のファッションは寒さしのぎに数多く着込むため、また暗い色を選ぶので、どうしても重くなりがち。シルエットだって鈍く見えてしまいます。今回は、軽やかなコーディネートを演出する差し色についてちょっとお勉強しましょう。知っていると知らないとでは、大きな差が出ます。しかも今年は、新技があるようですよ。解説はファッション・ジャーナリストの宮田理江さんです。

 真冬のコーディネートはかさばって見えやすいうえ、全体に色味も沈みがち。無愛想ムードを薄めるには、アイキャッチーな「差し色」の色合わせが役に立つ。割と知られたテクニックだが、実はしっかり進化して新技も出現。今年らしい色の合わせ方を磨いて冬コーデをつやめかせて。

オリーブ×テラコッタ×ブルー

 これまでの差し色は、ダークトーン主体の装いに赤系を1点だけ差し込むような使い方が多かった。でも、近頃は同系色を2、3点響き合わせるアレンジが広がっている。1点使いの場合より差し色が浮きにくく、全体の調和も取りやすい。

 例えば、着丈が長い、オリーブ色のムートンコートが主役のコーデ。内側に着込んだのは、土っぽいオレンジ系のテラコッタ色のトップス。近い色をクラッチバッグとブーツにもチョイス。同系色が3カ所で連携して、着姿のバランスが整った。アウターのグリーンともなじんで、ネイチャー感が生まれている。デニムのブルーともうちとけて、気負わないムードを呼び込んだ。