この連載では、美術館や博物館に併設されたミュージアムショップを紹介。美術館のコンセプトや展示物にまつわる書籍や資料、オリジナルグッズやコラボグッズ、ギフトに最適なグッズも見つかります。知的好奇心をくすぐられることもしばしば。第14回は、国立西洋美術館のミュージアムショップを訪れました。

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モネにロダン、ゴッホ作品のグッズを探そう!

 印象派を代表する画家、モネの傑作「睡蓮」と、日本で最も有名な彫刻・ロダンの「考える人」を所蔵する国立西洋美術館。フランス政府から寄贈返還された「松方コレクション」を基礎に、中世末期から20世紀初頭の絵画・彫刻などを集めたこの美術館は、上野公園の入口という立地もあって、いつも大変賑わっています。併設するミュージアムショップは1959年の開館と同時にオープン。当初は絵葉書などを売る小規模な売店でしたが、現在はコレクション関連書籍やオリジナルグッズがたくさん並んでいます。

 「ここ最近は、セレクトショップのような展開の美術館が増えていますが、当店で扱う商品は、基本的に国立西洋美術館のコレクションをモチーフとしたオリジナルグッズです。そのぶん、品数は他と比べて若干少なめではありますが、ここでしか手に入らないモノばかりですよ」

 そう話してくださったのは、ショップ担当の中久保さん。来館者は「西洋美術好きの女性」が圧倒的に多いということもあって、オンナ心をくすぐるような商品が目を引きます。

レストラン出口に飾られたジャカードタオル
レストラン出口に飾られたジャカードタオル

 「ここで扱っているポストカードは全て、当館所蔵の作品をあしらったものですが、その売れ行きを見ながら人気の作品を商品化しています。やはりモネの「睡蓮」がダントツ。それからゴッホの「ばら」、ロダンの「考える人」です。「考える人」グッズは、修学旅行生のお土産としても大変人気です」(中久保さん)

 ユニークなのは、名画をそのままパッケージに張り付けたりするのではなく、一部をトリミングしてモチーフにしたり、大胆にデフォルメ、アレンジを加えて独自のデザインに落とし込んでいるグッズが多いこと。例えばビーズのリングは、ロセッティ「愛の杯」や、カルロ・ドルチ「悲しみの聖母」など、それぞれの作品で使われている色からビーズを調合することで、絵画のイメージを表現しているのです。

 一方、ロダンの「地獄の門」をモチーフにしたカードスタンドなどは、細かいところまで可能な限り再現した、ミニチュアのような仕上がり。この辺りは外国人観光客に、とても人気があるそうです。

 「国立西洋美術館の設計をル・コルビュジエが手がけたということもあり、建築好きの若い男性も多くいらっしゃいます。そのため、建築に関する書籍も充実させていますね。最近は、マスキングテープのお問い合わせも多くいただいておりますので、今後はそういったリクエストにも、可能な限りお答えしていきたいと思っております」(中久保さん)

 誰もが知っている作品だからこそできる、大胆なアレンジ。他では手に入らないオリジナルグッズを、是非ここで堪能してみてください!

※ミュージアムショップ入店に、美術館の入館料は不要です。