尼神インターってどんなコンビ?

 尼神インターは誠子さんと渚さんの二人から成る女性漫才コンビ。長らく大阪を拠点に活動していて、この春から東京に進出しました。東京に出てきてからはテレビの仕事も急増して、いろいろな番組で彼女たちの顔を見かけるようになりました。

 尼神インターの漫才では、誠子さんがいい女ぶった言動を続けます。それに対して、ヤンキー気質の渚さんが容赦なくツッコミを入れていきます。自分にとって恋愛とは何なのか、と聞かれて誠子さんが「ゲームかな」と答えると、渚さんがすかさず「誰が言うてんねん」と返す。それでも誠子さんは一切ひるむことなく、「いい女」のスタンスでしゃべり続けるのです。

 二人でバラエティー番組に出ているときにも、この関係性は変わりません。渚さんが誠子さんをひたすらいじり倒して、「ほんこんさんに似ている」などと言ったりする。相方から突き放された上に、誠子さんは共演する芸人からも集中砲火を受けますが、その一つひとつに食らいついて、否定していく。その切り返しの言葉の鋭さがさらに大きな笑いを生むのです。

 尼神インターの誠子さんが容姿をネタにされてもあまり嫌な感じがしません。その理由は、なんとなく見た目に伸びしろがありそうな気がしないでもないからではないでしょうか。そのバランスが絶妙なのだと思います。

 誠子さんは「私服のセンスがダサい」と渚さんに言われたりすることがよくあります。実際、紹介された私服を見てみるとどれも驚くほどダサい。容姿に関しても、見る角度や写真によってはかわいらしく見えることもあるのに、服装、髪型、美容など、個々の要素で自らそれを台無しにするようなセンスの悪さを発揮しているような気がします。

 誠子さんのセンスの悪さがどこまで本気でどこまでネタなのかは分かりませんが、それが面白さにつながっているのは紛れもない事実です。「磨けば光らないこともなさそうなのに、ちゃんと磨かれていない」という状態をキープしているからこそ、誠子さんがいじられる姿があまり痛々しく見えないのではないでしょうか。