最近のお笑い界では、男女コンビに注目が集まっています。実際に交際をしていたり、ビジネスライクだったりと、関係性がコンビによって違うのも面白いところ。お笑い評論家のラリー遠田さんが解説していきます。

交際中だと発表された時は、驚きました 写真/ワタナベエンターテインメント

 2017年の「キングオブコント」で準優勝したにゃんこスターは、その後も多くの番組に出演しています。彼らが注目されるきっかけになったことの一つは、二人が交際中だというのが判明したことです。

 お笑いの世界では、これまでにも男女でコンビを組んでいる人はいました。しかし、そのほとんどは「夫婦・元夫婦」または「ビジネスライクな関係」です。まだ結婚はしておらず、現在進行形で交際を続けているカップルというのはあまり前例がない珍しいケースでした。

 にゃんこスターに限らず、最近のお笑い界では男女コンビの活躍が目立っています。「M-1グランプリ」ファイナリストのメイプル超合金、相席スタート、ゆにばーす、「キングオブコント2017」ファイナリストのパーパーなど、お笑いコンテストでも着実に結果を出している男女コンビが増えてきているのです。

 昔は、男女コンビでは女性が主導権を握ってネタを進めていくスタイルが目立っていました。女性の社会的な地位が低い時代だったからこそ、舞台の上では女性が男性を押しのけて活躍する姿が面白く感じられたのでしょう。

 一方、最近では、もともと恋愛関係にない男女がコンビを組むケースが多く、二人の関係性もそれぞれ違います。例えば、近年増えてきた男女コンビの先駆けとも言える南海キャンディーズは、体は大きいけど純朴な笑顔がかわいらしいしずちゃんの個性を前面に出した「キャラ主導型」のコンビです。しずちゃんのとぼけたキャラクターで笑いを誘いつつ、山里亮太さんのツッコミのフレーズでも見る人をうならせるという二段構えの良質な漫才でした。

 「M-1グランプリ2017」で決勝に進んだゆにばーすもこれに近い形です。地味顔のはらさんが空気を読まずに「イエーイ!」と叫ぶ明るいキャラクターを演じて、神経質そうな川瀬名人さんが細かくツッコミを入れていきます。

 一方、メイプル超合金の場合、真っ赤な衣装で金髪のカズレーザーさんが自由奔放にボケを繰り出していくのが印象的です。ぽっちゃりボディーの安藤なつさんはツッコミ役としてカズレーザーさんに一方的に振り回されています。このコンビの場合は、男性のほうがキャラが強い「キャラ主導型」だといえるでしょう。

 男女コンビでは、男性が女性よりもグイグイ前に出てくると悪い印象を与えてしまうことが多いのですが、メイプル超合金の場合には、二人とも見た目に個性があり過ぎるので、例外的に男性側が目立っているという形になっています。男性・女性という性別を超越しているところがこのコンビの強みです。