相方がものまね芸でブレーク…そのとき大吉は
2005年、2人は満を持して東京進出を果たしました。
地元の福岡ではすでに有名になっていましたが、東京でもうひと勝負をすることを決意したのです。ここで彼らにとって大きな武器になったのが華丸さんの個人芸(ピン芸)でした。
バラエティ番組で披露した俳優の児玉清さんのものまねネタが話題になったのです。2006年には、ピン芸日本一を決める『R-1ぐらんぷり』で華丸さんが優勝。華丸さんが1人で出る仕事がどんどん増えていきました。
でも、大吉さんに焦りはありませんでした。
福岡時代にはもっと厳しい状況もあったからです。華丸さんが個人で出ているのもコンビのためだと割り切ることができたのです。
そして、ついに大吉さんにもチャンスが回ってきました。
2008年、『アメトーーク!』の「中学の時イケてないグループに属していた芸人」という企画に出演したとき、そこで披露したエピソードが多くの人の心に刺さったのです。
中学時代は目立たない地味な存在で、文化祭のときに焼却炉でゴミを燃やす仕事に没頭していた大吉さん。あまりにもゴミを燃やすのがうまかったため、「焼却炉の魔術師」というあだ名が付けられました。
「焼却炉の魔術師」というフレーズは、番組内でこの年の流行語大賞に選出されました。
この企画は日の当たらない場所で青春時代を過ごしてきた視聴者にも勇気を与え、大吉さんはその象徴的な存在として評価されるようになりました。
その後も、『アメトーーク!』にはたびたび出演するようになり、その達観したような落ち着き払ったキャラクターから「大吉先生」という名前で呼ばれるようになりました。