嫌われ者が人気者になった理由は

 出川さんは、女性誌の「嫌いな男」「抱かれたくない男」のランキングでは、常に上位を占めていました。本人の話によると、「砂に埋めたい男」ランキングで1位になったこともあるそうです。

 ところが、今は違います。『世界の果てまでイッテQ!』の「はじめてのおつかい」という企画では、たどたどしい英語を駆使して外国人と積極的にコミュニケーションをとる出川さんの姿が、プロの英会話講師からも絶賛されています。

 また、現在の出川さんは子供たちにも絶大な人気があり、小学生が憧れの人物として出川さんの名前を挙げたりすることもあるそうです。

 出川さんのやっていることや芸風はずっと変わっていないのに、世間の評価がこれほど大きく変わったのはなぜでしょうか?

 その理由は大きく分けて三つ考えられます。

理由その1・ リアクションが芸として認められた

 一つは『アメトーーク!』をはじめとするいくつかのバラエティ番組の中で、リアクションを芸として再評価する風潮が出てきたことです。

 かつては、リアクション芸というのは一段低い芸として扱われていました。

 しかし、お笑い文化が発展して、お笑いのそれぞれのジャンルや芸にスポットが当たるようになったことで、リアクション芸も立派な一つの芸として認められるようになってきたのです。

 リアクションを得意とする芸人は、ただ痛がったり怖がったりしているだけではありません。そこには面白く見せるためのコツがあり、テクニックがある。

 そのことが世間に知れ渡ったことで、リアクションのプロを自認するダチョウ倶楽部や出川さんの地位が向上することになったのです。