会議の前の仕込みに「ひとり時間」を使おう

 たとえあなたが会議を仕切る立場でなくても、会議の記録係になったり、事務局として関わったりことはあるはずです。そんなときは、次のような手順で相手を自分のルールに少しずつ巻き込んでみるところから始めましょう。いきなり会議に臨むのではなく、会議が始まる前のひとり時間でしっかりと仕込みをすれば、あなたが主体には見えないようにムダな会議を減らすことだって可能です。具体的には次の4つを心がけてみましょう。

1.事前案内メールを工夫する

2.参加者のタイプを前もってプロファイリングしておく

3.会議の作法を共有する

4.会議が始まる前に、ゴールをホワイトボードに明文化しておく
1.事前案内メールを工夫する

 「会議」とひとことでいっても、顔合わせなのか情報共有なのか、ディスカッションなのか、意見のすり合わせなのか、挨拶代わりなのかなど、内容はさまざま。お互いの認識がずれていては、認識を共有するだけで時間があっという間に経ってしまいます。「会議で考えればいいや」と準備なしで出席する人を出さず、言葉や認識のすり合わせを早いうちにしておくため、メールの文章を工夫してみましょう。

 と言っても難しいことではありません。ただ「●月×日△時から会議をします」とアナウンスするのではなく、「こういったテーマで、こんな質問/相談/打合せをするので、以下の点について準備しておいてください」とひとことメールで伝えるだけでも参加者の意識が変わります。

2.参加者のタイプを前もってプロファイリングしておく

 会議の参加者には、いつもなんとなく「念のため」出席している人もいれば、積極的に議論に加わりたい人もいます。私の経験上、大きく分けると3つのタイプに分かれることが分かりました。

「ゴリ押しタイプ」:とにかく声の大きい人
「コソコソタイプ」:本当はきちんと考えているのにホンネをなかなか言わない人
「うわの空タイプ」:そもそも参加意識が低く、「早く終わらないかな」といつも思っている人

 3タイプのうち、どのタイプが比率として多そうか、だいたいのアタリをつけておきましょう。

3.会議の作法を共有する

 なかなか意見を主張できない雰囲気がある会議でよく見られるのが、次のパターンです。

「ゴリ押しタイプ」に意見を持って行かれる
   
「コソコソタイプ」が圧倒されて意見を言えずに萎縮す
   
それを「うわの空タイプ」が「早く終わらないかなー」と聞き流している

 このような会議を未然に防ぐために、ホワイトボードなどにルールを前もって書いてしまいましょう。ホワイトボードにルールを最初に明示しておけば、「あなたが決めたルール」ではなく、「ホワイトボードに書かれている決まり」と認識するので、参加者も素直に聞いてくれる可能性が高まります。

 例えばこのようなルールを書いておくことをおすすめします。

必ず全員が、順番に意見を言う

AかBかを決める場合は、全員どちらかを必ず選ぶ

AかBか選びきれないときは、その理由を含めて説明する

4.会議が始まる前に、ゴールをホワイトボードに明文化しておく

 話が思いもよらないところに飛んでいったり、長引いた割になかなか決まらなかったりする会議を防ぐため、次のようなゴールも一緒にホワイトボードに書いておきましょう。

この会議で決めること

この会議が終わった後何がどうなっていれば成功か

万が一決まらなかったときのフォロー策

 長い会議、決まらない会議にイライラして、会議のせいにするよりも、「自分ハブ化計画」を使い、あなた自身がひそかに会議を変えていきましょう。陰のボスはあなた、だと思ったらちょっと会議も楽しみになりませんか? ぜひ試してみてください。

写真=cba / PIXTA