こんにちは。Before 9(ビフォア・ナイン)プロジェクト主宰/CONECTA代表、池田千恵です。「ひとり力の作り方」で提唱する「ひとり力」とは、「自分の頭と心を定期的に棚卸し、客観的に見つめて軌道修正していく力」のこと。独身、既婚、家族と同居、ひとり暮らし、子育て中…。どんな状況にあっても精神的、物理的に「ひとり」の時間を作ることはできます。「ひとり力」をつけることで、ほっとしたり、リフレッシュしたり、リラックスしたり、将来のことを楽しく想像したり、今までの振り返りをしたりできるようになれば、慌ただしい毎日も、心穏やかに過ごせるようになります。本来のあなたを、あなた自身の手に取り戻すひとつの手段が「ひとり力」をつけることです。第27回の今回は、朝の「ひとり時間」で残業を劇的に減らす4つの方策についてお伝えします。

■ヒト・モノ情報を自分経由に整える「ハブ化」を推進しよう

 “ひとり時間を作りたい”と思っていても、予期せぬトラブルや女子会、家族との予定など、自分ひとりではコントロールできないことはたくさんありますよね。予定通りに物事が進まないと、ついイライラして「●●のせいで自分の時間が作れない」と責任転嫁の思考回路にはまってしまうこともあるでしょう。
 そんなときにおすすめするのは、「自分ハブ化」の推進です。ハブとは、ネットワーク機器の「hub」や、ハブ空港の「ハブ」です。つまり、自分をいったん経由して物事が進むよう、ヒト・モノ情報の段取りを整え、それに周囲が自然に従ってもらえるように工夫することです。
 こうお伝えすると、「自分は会社で責任がある立場にないから、そんなことはできない」と、尻込みをしてしまうかもしれません。でも、偉くなくてもできる工夫は、実はいろいろあるのです。ポイントは、比較的ひとり時間が作りやすい朝のうちに段取りを整える準備をすることです。今回はいくつかの工夫をお知らせいたします。

■偉くなくてもできる「自分ハブ化計画」

(1)指示待ち残業を排除する

 「指示待ち残業」とは、あなたがきちんと確認さえしていれば防げたはずの残業です。例えば上司に企画書作成の指示を受け、何に使うか、いつまでに使うかなどを確認しないまま、上司が出かけてしまい、上司がメールチェックできる3時間後まで待ち続けた…というような、無駄な待ち時間のこと。最初に業務の内容をきちんと確認できるだけで、残業は格段に減ります。朝のうちに、自分ひとりでは完成させることができない予定をチェックし、相手のスケジュールをだいたいでよいので把握しておきましょう。

 例えば私の場合、会社員時代は資料を作成する仕事が多かったので次のような「指示待ち残業回避チェックリスト」を作っていました。自分の仕事に合わせて、このようなチェックリストを朝の比較的余裕がある時間で作っておくだけでもだいぶ効率がよくなりますよ。