スマホは脳にとって魅力的!

 疲労で判断力を失った脳には、スマホは拒否できない誘惑そのものです。スマホからすぐにアクセスできるメールやSNSをやると、脳内の「報酬系」が活性化することが分かっています。

[引用]新しいメッセージを受信するたびに、私たちはちょっとした[モルヒネと類似し、多幸感をもたらす]エンドルフィンの増加―負荷の高い運動の後にも増加する―を経験します。また[SNSなどで]自分語りをする行為も、脳の報酬系を刺激し、日々の自分の行いを語ることがさらに魅力的に感じられるのです。
(Jocelyn K. Glei編『Manage Your Day-to-Day: Build Your Routine, Find Your Focus, and Sharpen Your Creative Mind』、Amazon Publishing)

 さらに、メールやSNSの通知などが予測不可能であることも、報酬系がさらに活性化する原因です。私たちが、何度もメールやSNSをチェックしてしまうのはこの予測不可能性のせいなのです。

[引用]心理学者のB.F.スキナーは、実験用ラットにレバーを与え、100回レバーを押すとエサが与えられるという「ランダムな強化」のアイデアを発案しました。これはラットにとっては興奮する出来事です。このレバーを押す回数がランダムな数―1から100までならどの数でもよい―になると、ラットの興奮度がさらに上がります。そして、報酬を一切なくしてしまっても、ラットは通常よりも、もっと、もっと、仕事をするようになるのです。
(同上)

 私たちはおそらくメールやSNSだけでなく、いつもチェックしているサイトの記事が更新されていたり、ゲームでステージをクリアしたりする時も、同じような興奮を得ているのではないでしょうか。

 つまり、スマホはついつい手を出してしまうような刺激がいっぱいなのです。