B案があった方が良い場合もある

 何もB案を考えるべきではないということではありません。時には目標達成が、運といったあなたではどうしようもない因子に影響される場合もあります。そういった場合はB案があった方が良いかもしれません。

 一方、目標達成があなたの努力に大きく左右される場合は、敢えてB案を作らない方が達成の可能性が大きくなります。実験結果が示唆しているのは、モチベーションを最大化させるにはB案を持たない方が良いということです。

 また、モチベーションという観点から言うと、複数のアプローチで目標達成を試みることは効果的です。(例えば、アーティストになりたい人が作品を作るだけでなく、ネットワーキングのためにギャラリーで働いたり、技術を磨くために先輩アーティストのアシスタントとして働くといったことです)。モチベーションが上がるだけでなく、その目標に対してより一層コミットするようになることが指摘されています。モチベーションがカギである場合は、B案を持たないという選択肢のほかに、こうしたアプローチもあります。

 最もかしこいのは、自分の目標達成が努力の部分が大きいのか、運が大きいのか(その両方という場合もおうおうにしてあるかもしれませんが)を考え、それに合わせてB案が必要かどうかをしっかり考えることかもしれません。

 覚えておくべきことは、B案は時にあなたのモチベーションを大幅に下げてしまうということです。

文/相磯 展子

この連載は、毎週木曜日に公開。下記の記事一覧ページに新しい記事がアップされますので、ぜひ、ブックマークして、お楽しみください!
記事一覧ページは⇒相磯展子の「目からウロコの仕事ハックnew」