「働き女子の味方! 目からウロコの仕事ハック」では「アイデアを実現するためのカリキュラム」の提供を目的としたブログ99U記事を紹介しています。仕事に関するさまざまなノウハウを取り上げた本サイトでは仕事効率化、モチベーション、失敗の対処法、メール術、体調管理など幅広いテーマをカバー。仕事にまつわる様々なテーマを学問的な知見を交えながら分かりやすく解説。常識を覆すユニークな視点で書かれた記事が魅力です。

 あなたは1日にどれくらいインターネットを見ていますか? 暇さえあれば無意識のうちにデバイスを取り出し目的もなくインターネットを見ているという人も多いかもしれません。雑踏を切り抜けたり疲れた頭をぼーっとさせたりするにはインターネットはもってこいです。しかし、私たちがデバイスを介してインターネットにアクセスしている時間はどれだけ充実したものだと言えるでしょうか?

 効率的な時間の使い方を追求すべく99UライターのBrittany Ancell(ブリタニー・アンセル)は、2週間のデジタルデトックスを試み、その道のりを日記形式に綴っています。ルールはシンプルです。午前9時から午後5時の就業時間以外はインターネットにアクセスしないこと。土日はアクセス可。

 果たして私たちはどれほどインターネットに依存しているのでしょうか? そして、インターネットを生活から取り除くことでより生産的で、有意義な時間を過ごせるのでしょうか? Ancellの体験は、インターネットにどっぶり浸かった私たちがなかなか気づくことのできない新鮮な視点を提示しています。

1日目:不安とイライラが募る

 1日目から分かることはインターネットを生活からなくすことは大変な意志力を要するということ。私たちがどれだけインターネットに依存しているかが垣間見えます。

[引用]iPhoneの画面上に赤く表示された43件の未処理のメールを閲覧できないことに少しいらだちを感じながらアラームを消し、起床した。あいにく私にはスタートさせなければいけない新しい生活が待っていた! 私は地下鉄の駅まで歩く間なんの邪魔もなく周りの景色を堪能することができて気分を良くした。1年半も同じ道のりを歩いているというのに今まで気づかなかったことが目についた。まずまずのスタートである。

 幸先よさそうに見えたものの、ここから事態は悪い方へ向かいます。

[引用]時間が経つに連れ私は必死にGoogle Reader、メール、ショートメッセージ、ツイッターに代わる代わるアクセスしていた。そして、私の中で不安が高まっていた。オフィスを出た後、インターネットなしで一体何をすればいいのだろうか? 終わっていない仕事を手つかずのまま置いていくわけにもいかない。

 午後になると Ancellはいろいろなことが手につかなくなっていきます。

[引用]夕方はまるでスロー再生のように時間が経過した。私の手元には本の山があったが、どれも集中して読む気にはなれなかった。私はいくつかのタスクを行ったり来たりした。アパートの家具を動かし、雑誌を部分読みし、運動した。しかし、どれからも満足感を得られなかった。何年も続けているブログを読む習慣が私の集中力を低下させてしまったのだろうか?

2日目:イライラは頂点に、そして諦める

 2日目になるとすっかり期待感やポジティブ・シンキングは消え、インターネットにアクセスできないいらだちが全面に出てきます。

[引用]2日目の朝になると、ウェブを閲覧する以外のシンプルな作業のためでさえコンピューターが使えないことにひどくイライラした。最近デジタル化した書類が必要だったが、インターネットがないとアクセスできない。できることと言えばわざわざ重いPCを仕事場に持って行きデスクで確認することだった。父が勧めてくれたあのクールなバンドの情報も同様にPCをわざわざ仕事場に持ち出しアクセスした。コンピューターとインターネットは便利で重要なツールである。それは誰しもが分かっている。私は徐々に自分の実験が自己規律の訓練ではなく、極端な技術革新反対主義者の営みのように思えてきた。

 イライラがピークに達した頃、Ancellの行動に「諦め」という兆しが見えてきます。

[引用]午後がもっともしんどかった。膨れっ面をし、不平を漏らし、そしてある時点では「インターネットなしの生活なんて生きるに値しない」と嘆いたほどである。オフラインでも何もせず21:30に布団に入った。

6~8日目:インターネットなしの生活にやっと慣れる

 次に変化が見られたのは実験を開始した6日目からでした。

[引用]インターネットからの離脱症状がなくなってきた頃、夕飯、エクササイズ、家のメンテナンス、読書と続く理想的な習慣に落ち着いた。こんなに生産的だったのも、くつろぐことができたのも実に数年ぶりだった。それでも、私たちがやらなければいけないことを先延ばしにする習性はインターネットのせいではないという結論に至った。もちろん、テクノロジーが無駄な時間をだらだらと過ごすことを助長することはあるが、オンラインで時間を浪費する人はみなオフラインでも同様に何かをして時間を無駄にしているのだ。ゴシップ?US Weeklyを読めばいい。そもそも井戸端会議もメッセンジャー上での会話も大して変わらないのではないだろうか?

 ここからAncellは何かを掴みはじめます。元来、人間というものはとても注意散漫であるという事実に気づいたのす。インターネットが登場するずいぶん前から私たちは噂話をしたり、芸能人のスキャンダルを読んだりして時間を無駄にしていたのです。

 Ancellはここでの発見を踏まえ、こんなアドバイスをしています。

[引用]重要なのはどのタスクが自分にとって大事なのか明確にし、それを中心にしたスケジュールを積極的に組むことにある。そうすることで満足感を得られないタスクは自然に手をつけなくなる。インターネットが与えてくれる瞬時の満足感を得ることが禁じられていると、確かに上記のことが容易になるのだ。