超人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の興奮、覚えていますか? キャストにときめいたり、契約結婚という夫婦のカタチについて考えさせられたり、日経ウーマンオンラインの読者の皆さんにとって関心が深かったドラマの一つだったのではないでしょうか。
ちょうど逃げ恥の原作漫画・最終9巻も発売された折、3月都内某所で、原作の漫画家・海野つなみさんと、ドラマの脚本を担当した野木亜紀子さんが対談するというので、人気事象研究家の西森路代さんが、逃げ恥のあれこれを聞いてきました。

SNSとドラマ放送の相乗効果で人気爆発

――お二人の対談というのはこれまでにあったんでしょうか?

野木さん(以下、敬称略) 対談は初めてです。海野先生と対談したいというのは前々から言ってたんですよね。

海野さん(以下、敬称略) 初対面はドラマの顔合わせのときですね。お会いするのは今日で3回目なんです。

――ツイッターではけっこうやり取りされているようですね。実際お会いするのが3回目とは思えない、和気あいあいな雰囲気ですね。

野木 そうですね(笑)。(この和気あいあいな雰囲気は)何なんでしょうね。でも、現場でなかなかお会いする機会がなかったんですよね。

――海野さんがドラマ好きということはツイッターなどを見て知っていたんですが、ドラマ化が決定したときの気持ちはいかがでしたか?

海野 1巻が出たあたりときから、ドラマ化のお話はいただいていたんです。でも、どこの局でやるのかは、なかなか決まらなかったんですね。それでやっと決まって、キャストについて聞いたら、最初にガッキー(新垣結衣)が決まって、「わー100点!」って思っていたんです。その後、平匡さんには、平匡さんの童貞感が生かされた人がいいなと思っていたら、星野(源)さんが演じることになって「いい人が来たー!」と。その他にも、最初から古田新太さんのお名前も出ていて、実現したらすごいなと思っていたら、本当に沼田さん役に決まって、しかも怪演してくださってうれしかったです。

――もともとドラマになるイメージはあったんですか?

海野 海外ドラマみたいなつもりで描いてたんですよ。「アリー my Love」みたいなね。だから、妄想シーンがいっぱい出てくるんですよ。ドラマをイメージして描いてたから、ドラマにしやすいと言ってもらえたのかなと。

――野木さんにお聞きしたいんですが、ドラマがうまくいくときって、どういう要因がありますか?

野木 やっぱり、脚本、演出、プロデューサーが、何の仕事をどこまでやるのか、チームによって変わりますけど、バランスが取れていると良いとは思います。今回、プロモーションは、峠田(たわだ)さんというプロデューサーが負けたくない男なので(笑)、いろいろ仕掛けていました。例えばSNSで放送の10分前告知をキャストにしてもらうなど、過去のドラマ「コウノドリ」のときからのノウハウを全部入れていました。キャストの力と物語の力に加えて、そうした要素もあって、今回のような視聴率になったのかなと。

海野 お祭りみたいになってましたよね。

野木 ただ、すべてのドラマで「恋ダンス」をすればいいのかっていうとそういうことでもないので、今回は特殊なケースだと思います。