「100倍仕事が楽しくなる! ワークスタイル入門」と題し、第14回「魅ならい塾」が開催されました。「魅ならい塾」とは、「魅力的な人に習う」というコンセプトのイベント。第1部には健康社会学者の河合薫さんが登場し、前向きに働き続けるための心持ちや具体策をレクチャー。第2部では、会場となった「ワタベウェディング」のオフィスを見学しながら、心地よく働ける空間を紹介しました。

仕事だけがキャリアではない、限界を設けず一歩前へ

 日経ウーマンオンラインで連載中の「女性のリアル人生相談」でも、悩める女性の悩みをズバッと解決してくれている河合さん。大きな拍手に迎えられて登場すると、まずは女性たちの真剣なまなざしをしっかりと受け止めて、こう切り出しました。

日経ウーマンオンラインでも大人気、「女性のリアル人生相談」を連載中の河合薫さん
日経ウーマンオンラインでも大人気、「女性のリアル人生相談」を連載中の河合薫さん

 「キャリアというのは、仕事や職業のことだけではありません。『学生』というキャリアもあれば、『職業人』としてのキャリアもある。『娘』というキャリアもあれば、『母親』としてのキャリアもあります。つまり人生で経験する、社会的役割のすべてがキャリア。虹のようにさまざまな色が重なって、10人いれば10人分の、違う輝きを持った虹(=キャリア・レインボー)ができるのです」(河合さん)

 この「キャリア・レインボー」という考え方では、仕事や家庭、結婚、育児などを分断して考えるのではなく、すべてを自分のキャリアだと捉えます。

 「私自身、健康社会学を学ぶために36歳で大学院へ行き、学生というキャリアをスタートさせました。仕事をセーブする必要があったので、当然不安でしたが、学生というキャリアをしっかりと輝かせることで、仕事というキャリアも違う輝きを放ってくる。どちらか一方ではなく、どちらも自分の大切なキャリアなんだと考えることで、目の前のやりたいことに一生懸命取り組み、一歩ずつ前に進んできました」(河合さん)

 私たちは、「子育てと仕事の両立は無理」「年齢的に転職は厳しい」など、自分で自分の限界を決めてしまいがちです。しかし河合さんは、「自分で限界さえ設けなければ、人生は無限大に広がっていく」と、力強く語ります。

 「皆さんには、限られた生活世界の中で、『自由』を探し出すしなやかさを持ってほしい。変化することやぶつかること、立ち止まることを恐れずに、前に進んでほしいと思っています」(河合さん)

 強く、温かい河合さんの言葉に、会場にいる女性たちも一気に話に引き込まれた様子。そしてここから、話はさらに核心に近づいていきます。