各分野で活躍する魅力的な女性にならうイベント「魅ならい塾」が9月8日に開催されました。第12回のテーマは、ズバリ「腸活」! 腸活のカリスマドクターとして各メディアでも引っ張りだこの小林メディカルクリニック院長・小林暁子さんが登壇し、腸内環境の大切さについて、また、「腸美人」になるためのヒントについてお話くださいました。

働き女子の2人に1人がお通じに難アリ

 清々しい気持ちで目覚めた朝。はりきって身支度を始めるも、多くの女性にとって玄関を出るまでに立ちはだかる最大の難敵、それが「お通じ」ですよね。トイレで孤軍奮闘するも虚しく、毎朝切なさを噛み締めているという方も少なくないのではないでしょうか。敵は本能寺、否、我が腸にあり……。

 そうした腸の悩みを持つ人たちにとってのカリスマともいえる医師が小林暁子さんです。小林さんのクリニックでは、全国でも数少ない便秘外来(健美腸外来)を設置し、日々腸の問題に悩む多くの患者さんを診察しています。

腸の大切さについて語る、講師の小林暁子さん
腸の大切さについて語る、講師の小林暁子さん

 小林さんによれば、働く女性を対象にしたお通じの実態調査では、「便秘・便秘気味」という人は53.3%、「3日以上出ない」という人は66.3%にも上るという驚くべき結果が出ているそう。働く女性の実に半数以上がお通じの問題を抱えていることになります。

 「女性はホルモンバランスの影響を受けやすく、また骨盤という狭いエリアに腸管・卵巣・子宮など大事な臓器が密集しているので、解剖学的理由から見ても便秘になりやすい体の構造をしているといえます。加えて、偏ったダイエットや過度な下剤・サプリの服用が便秘を招き、腸内環境を悪化させる原因にもなっているんです」

腸不美人の最悪ケースは大腸がんも、代謝にもメンタルにも関わる腸内環境

 腸内環境が荒れてしまうと、最悪の場合、大腸がんを招いてしまいます。小林さんの話によれば、日本人女性のがん死亡率のトップは大腸がんなのだそう。また、がんとまでいかなくても、腸内環境の悪化は様々な不調を体にもたらすそうです。便秘やお腹の張り、冷えやむくみ、肩こりや頭痛、気分の落ち込みやイライラ。そして、肌荒れや乾燥肌など美容面の支障も出るそうです。

 小林さんによると、精神の安定や免疫力の強化も腸がつかさどるそうです。「腸内環境が良好で善玉菌が正常に働くと、ストレス対応物質のセロトニンやドーパミンを作るための物質を脳に送ります。また、免疫細胞の実に7割が腸で活性化されるともいわれています」と小林さんは語ります。

 腸内細菌の機能は、これだけに留まりません。太った人の腸内細菌と、痩せた人の腸内細菌をマウスに移植してそれぞれに同じ食事を摂取させるという実験を行ったところ、太った人の菌を移植したマウスだけが太ってしまうという結果に。「腸内細菌にはデブ菌・痩せ菌とがあり、その細菌が代謝にまで作用しています。腸内細菌が正常に機能すれば、各指令中枢への伝達をスムーズに行えるようになり、エネルギー消費をアップしたり、過度な食欲を抑えてくれます」と小林さん。

メモを取りながら熱心に話を聞く参加者のみなさん
メモを取りながら熱心に話を聞く参加者のみなさん

 腸内環境が人体のバランスを左右しているというのも過言ではなく、もはや自分のためというよりも、「自分の腸のために頑張らねば!」という気持ちになってきます。多角的な影響を及ぼす臓器だからこそ、腸内細菌たちのケアは毎日しっかり行いたいものです。