魅力的なその道の賢人にならう「魅ならい塾」。第10・11回では、オフィスシーンのファッションスキルを伝授してもらうべく、パーソナルスタイリストのみなみ佳菜さんにご登場いただきました。そごう横浜店&西武池袋本店で行われた本イベントの模様と、今すぐ始められるおしゃれのコツを大公開します!

7000人以上も手がけたスタイリストが教えるオシャレのコツとは

 黒、紺、茶、灰色、そしてまた黒、黒、黒……。なぜ私のクローゼットは煮染めたような色味の服ばかりなのか。そしてなぜ、灰色のカーディガンが4つもあるのか……。おしゃれは好きなはずなのに、なぜかパッとしないスタイリングに頭を抱えている方も多いのでは?

 そんなファッション難民の前に降臨したのが、これまで7000人以上のスタイリングを手がけ、予約は数カ月待ちという人気パーソナルスタイリスト・みなみ佳菜さん。みなみさんのアドバイスを求め、会場のそごう横浜店&西武池袋本店は働き女子たちで満員御礼となりました。

ファッションのノウハウを伝授する、講師のみなみ佳菜さん
ファッションのノウハウを伝授する、講師のみなみ佳菜さん

オフィスファッションの決め手は、「TPPO」と「フォーマルカジュアルランク」

 まずみなみさんが説いたのは、「オシャレは感覚ではない」ということ。

 「お客様に『ファッションってセンスですよね?』とよく聞かれるんです。でも感覚で洋服選びを教えても、自分ひとりで実践することは難しい。そこで私は、これさえ押さえれば92点は採れるというおしゃれの法則を皆さんにお教えしたいと思います」

 そう言ってみなみさんが教えてくれたのが、独自のファッションルール「TPPO」と「フォーマルカジュアルランク」。

 「TPPO」とは、「TIME(時)」「PLACE(場所)」「OCCASION(場合)」から成る「TPO」に「PERSON(人)」を加えたもの。つまりは、いつどこで「誰と」なにをするかを考えて洋服選びをしようということ。「今日のランチはイタリアンで上司の松本さんと仕事の打ち合わせをする」といった具合に、その日の予定を共にする相手の顔も思い浮かべながらコーディネートすると、自然と相手を大切に思っていることまで伝わると言います。

 「実はこれ、服装心理学でも言われていることなんです。あの人はワンピースが好きそうだなとか、前にこの服を褒めてもらったなとか、選ぶ基準はなんでもOK。それだけで相手に気持ちが伝わるので、オシャレだけでなくコミュニケーションにも役立ちますよ」

熱心に耳を傾ける参加者のみなさん
熱心に耳を傾ける参加者のみなさん

 そして「TPPO」に紐づくものが、「フォーマルカジュアルランク」。これは今日の「TPPO」に対してファッションの“カジュアル~フォーマル濃度”がマッチしているかをチェックする指標となるもの。

ランク1:カジュアル
(主にプライベート。バーベキューなど/Tシャツやジーンズ)

ランク2:オフィスカジュアル
(主に内勤。デスク業務など/カーディガンやソフトジャケット)

ランク3:ビジネス
(主に外勤。商談など/ジャケットやセンタープレスパンツ)

ランク4:セミフォーマル
(入学式やセレモニーなど/スーツやハリのあるワンピース)

ランク5:フォーマル
(主に冠婚葬祭/ドレスや着物)

 たとえば「パーティ」といっても、親しい友人たちだけで行う誕生日会もあれば、上司の結婚式の2次会など、種類はさまざま。カジュアル過ぎて目立ってしまったり、逆にかっちりキメ過ぎて浮いてしまうというようなことを回避できるのが、上記の「フォーマルカジュアルランク」なのです。うーん、便利……!

 「働いている方であれば、想定できる『TPPO』は3つくらいあるはず。それを書き出してみて、『フォーマルカジュアルランク』のレベルも一緒に考えてみてください。たとえば1週間に1度顧客相手にプレゼンがあるという人は、その日の『フォーマルカジュアルランク』は『3』。週末久しぶりに女友達と会う時は、ちょっといつもより特別感を出したいから、レベルは『1.5』という風に、『TPPO』×『フォーマルカジュアルランク』で節度あるファッションが完成します」