こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。最近は、誰もが気軽に利用しているソーシャルメディア。私的利用においても、会社にダメだと言われたら…?

SNSでの友人の問題発言

 某社カスタマーサービス部門に勤務する亜里沙さんの楽しみは、Facebookで友人たちの投稿を閲覧すること。亜里沙さんも、面白かった映画の話や、お気に入りのファッションのことなど、書きたいことがあれば時々投稿して、情報交換をしていました。

 特に、友人の美鈴さんは、会社での日々の出来事を面白おかしく投稿するので、リアルな小説のようで目が離せない、といいます。ちょっと嫌味な上司の話、スローテンポでいつも会話がかみ合わない同僚の話など、人物描写も絶妙とのこと。相手の実名は伏せて、イニシャルで投稿していました。

身の回りの出来事を発信するのは楽しいですが… (C)PIXTA
身の回りの出来事を発信するのは楽しいですが… (C)PIXTA

 ある日のこと、美鈴さんは会社について痛烈な批判を投稿しました。会社がきちんと残業代を支払ってくれないことなど、不満の数々…。亜里沙さんは、美鈴さんがよほど仕事でストレスを抱えているのだろうと思いましたが、同時に「こんな投稿をして大丈夫かな?」と心配になりました。Facebookのプロフィール欄には、会社名も書いてありますし、当然実名です。

 案の定、美鈴さんのFacebookは荒れ模様。美鈴さんに悪気はありませんでしたが、見知らぬ人からの批判コメントも相次ぎ、投稿が途絶えてしまいました。

 後日、美鈴さんと会って話をしたところ、会社にも今回の件で呼び出されて、厳重注意を受けたとのこと。会社に投稿をすべて削除するように求められ、「またこうした問題を起こしたら、重い懲戒処分だ」といわれたそうです。とても落ち込んだ様子でした。

 亜里沙さんは、「誰が見ているかわからないから、すごく怖い…」と、自分も投稿内容には注意しなければ、と思いました。