こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。私たちは、様々な電化製品に囲まれて日々生活をしていますが、自宅と職場での使い分け、ちゃんとできていますか?

スマホ充電だけじゃない、驚くべき実態

 営業部員のEさんは、外回りが多く、会社から貸与されているノートパソコンとスマートフォンは仕事上に欠かせないアイテムです。特に最近は、バッテリーの持ちが悪くなってきたせいか、営業先から戻ってくると、パソコンやスマホの充電をして、次の仕事に備えていました。

 ある日の午後、会社へ戻ってきて充電をしようとしたら、いつもであれば空いているはずの職場のコンセントがすべて埋まっていました。しかし、夕方からの打ち合わせに備えて、どうしても充電をしたかったEさん。何気なく複数あるコンセントを辿ってみて、ビックリ仰天!

 それらは、すべて総務部の亜加梨さんの席に集中していたのです。亜加梨さんのデスクには、個人のものと思われるデコラティブなスマートフォンをはじめ、マッサージャー、スチーム式加湿器、足温器など、様々な電化製品が並べられているではありませんか。Eさんは、言葉を失ってしまいました。

何気なく行っているスマートフォンの充電。会社で私用の家電を充電するのはあり? なし? (C)PIXTA
何気なく行っているスマートフォンの充電。会社で私用の家電を充電するのはあり? なし? (C)PIXTA

 その様子に気づいた亜加梨さんは、悪びれる様子もなく、「何ですか?」と涼し気な顔をしています。そこで、Eさんは、コンセントを利用したいことと、いったいこれらの電化製品は何か尋ねてみました。

 亜加梨さんいわく、マッサージャーは、仕事で疲れたときの癒し機器としてクッションタイプとレッグタイプのものを、スチーム式加湿器は職場の乾燥が気になるので肌を保護するため、またアロマ式で香りを楽しむため、足温器は冷え性のため、とそれぞれのアイテムを取り上げながら、「すべては仕事のパフォーマンスを上げるために必要なもの」と説明。

 職場では、一人ひとり高いパーティションで区切られているため、デスク周りまでは見過ごされがちです。そのため、亜加梨さんのエスカレートする行動に周囲は気づかなかったのでしょう。Eさんは、これを問題視して、職場の上司に相談しました。