契約更新時はキャリアの節目

 有期労働契約で働いていると、契約期間は限られているわけですから、次の契約をどうするのか、おのずと考えざるを得ません。ある意味、キャリアの節目が無期契約で働く人と比べて多く訪れるといえます。

 仮に、無期転換ルールの対象となる5年間を同じ企業で働いているなら、その仕事内容や待遇について納得できるから働き続けているともいえるでしょう。仕事や職場に愛着を感じている方もいるかもしれません。そうであれば、無期転換ルールは活用したい仕組みといえます。

 しかし、もし変化に直面するのを避けて、惰性で何となく日々をやり過ごしているとすれば、キャリアの節目に、今後の働き方について、じっくりと考えてみることをお勧めします。

「ずっと頑張ってきたけど、今後の働き方を考えてみようかな」( (C) PIXTA
「ずっと頑張ってきたけど、今後の働き方を考えてみようかな」( (C) PIXTA

 国は、こうした法改正によって非正規労働者の割合を引き下げることを目標に掲げており、取り組みの一つとして、正社員への転換制度を導入し実績のある企業に助成金を支給するなど、さまざまな支援を行っています。

 無期転換ルールについては、会社ごとに運用が異なります。自社がどのような制度となっているのか確認し、今後のキャリアについて考えていただければと思います。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA