こんにちは、「ワークルールとお金の話」の佐佐木由美子です。2017年10月1日から、改正育児・介護休業法が施行されます。働く女性にとって大いに気になるその内容について、今回は確認しておきましょう。

最長2歳まで育児休業の再延長が可能に

 昨今は、妊娠・出産で仕事を辞める人はだいぶ少なくなりました。実際に、女性の育児休業取得率は81.8%と高い数値が示されています(厚生労働省「平成28年度雇用均等基本調査」)。ただし、30人未満の事業所では68.9%と大企業を含めた全体平均よりも10ポイント以上低く、中小企業においてはいまだに育児休業が取りにくい状況にあると言えます。

 育児休業を取ったものの、保育園に入れずに、退職を余儀なくされる方もいます。例えば、6月10日生まれの赤ちゃんの場合、本来は翌年の誕生日の前日までが育休期間となりますが、保育園等に入れない場合は、6カ月の延長が認められ、翌年の12月9日まで休業をすることができます。ところが、その時点においても保育園等に入れないときは、さらに延長ができないために退職するケースも珍しくありませんでした。

働きながらの子育ては、まだまだ課題があります (C) PIXTA
働きながらの子育ては、まだまだ課題があります (C) PIXTA

 会社によっては、もともと子どもが3歳になるまで育児休業を取れる場合もありますが、法律上は原則として1歳まで、保育園等に入れないなど特別な事情がある場合に限り、1歳6カ月まで延長できることになっています。

 ところが2017年10月1日から育児・介護休業法が改正され、保育園等に入れない場合などは、育児休業期間を最長2歳まで再延長できるようになります。上記のケースでは、さらに翌年の6月9日まで延長できることになり、入園しやすい新年度の4月に保育園に入れれば、職場復帰も可能です。