性格スキルをどうやって高めるか
私たちが今後性格スキルを高めるためにでき得ることは、職場で責任ある仕事をして実践を通して学ぶことです。日本ではOJT(On-the-job Training)、つまり日常の業務に就きながら行われる教育訓練が広く行われていました。こうした手法で企業は人材育成を行ってきたわけですが、ビジネスのスピードが加速する現在において、なかなかそこまで手が回らない……といった声も聞かれます。
そこで新たな人材交流・育成として、最近注目されているのが副業・兼業です。責任ある仕事をこれまでと違った環境で行っていくわけですから、性格スキルが鍛えられることは言うまでもありません。副業でなくとも、ボランティアや地域に貢献する活動等でも、自分が本気でコミットして行うことであれば、成長が期待できます。
欧米では、職業実習制度(デュアル・システム)における、仕事を通じての学びと教室での学びの2本立てにより、若者の多くが職業教育訓練を受けています。日本では教育というと座学が中心で、受け身の姿勢に慣れてしまっているところがありますが、話を聞いているだけでは性格スキルを高めるという視点では十分とは言えません。
自らの考えを人前でプレゼンしたり、双方向のコミュニケーションを取ったり、人と積極的に関わったりすることなどを通して、外向性や開放性、真面目さという性格スキルが高められていくと考えられます。それは、学びの場であっても、仕事の場であっても同じです。
まもなく新年度がスタートします。最近の生活に張りがないと感じているなら、新しいことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。何かをやり抜いたときに、真面目さという性格スキルがアップしていることでしょう。
文/佐佐木由美子 写真/PIXTA