こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。年度末から新年度へ、この時期とても忙しく、残業が多いという方もいらっしゃるのではないでしょうか? でも、この時期の残業は注意。それがかえって手取り額を減らしてしまうこともあるからです。

突然辞めたスタッフの代わりに…

 何の前触れもなく、突然同じ部署の女性スタッフが会社を辞めてしまったという慶子さん(34歳)。引き継ぎはもちろんのこと、代替要員を確保する時間もなかったことから、仕事内容の分かる慶子さんが、一手にカバーすることになりました。

 普段はあまり残業することがなかったという慶子さんですが、退職者の業務をカバーするためにこの1カ月間40時間も残業する羽目になってしまったそうです。体力的には疲れたものの、残業手当がもらえるなら一時的なことだし仕方ない、と思いました。

いつもより残業が続く毎日。一時的なことだから仕方ない? (C) PIXTA
いつもより残業が続く毎日。一時的なことだから仕方ない? (C) PIXTA

 慶子さんのような状況は、誰にでも起こり得る可能性があります。退職もそうですが、病気になったりケガをしたりして、一緒に仕事をしていたパートナーが突然働けない状況になってしまうこともあるかもしれません。マンパワーはそろっていても、突発的な仕事のトラブルなどで、残業を余儀なくされることもあるでしょう。

 こうしたとき、残業手当をもらうタイミングによって、その後の給与に影響を与えることがあるのをご存じでしょうか?