交渉も大事なスキル

 リクルートキャリアの調べによると、転職先企業にどれくらい面接で勤務条件を交渉・相談できたか質問したところ、すべてを伝えることができた(6.7%)、「ある程度は伝えることができた」(64.8%)と、交渉ができた人の割合は約7割(リクルートキャリア「第31回転職世論調査」2016年)。かなり高い割合で、希望する勤務条件等を意思表示していることがわかります。

「ライフフィット転職」には、個別の勤務条件を交渉するスキルが必要です (C) PIXTA
「ライフフィット転職」には、個別の勤務条件を交渉するスキルが必要です (C) PIXTA

 ここで重要となるのは、どれだけ自分が企業へ貢献できる価値を持っているか。つまり、自分の強みとなるスキルや経験、能力が企業サイドのニーズとマッチするか、ということです。たとえユニークで素晴らしい能力を持っていたとしても、それを必要としてくれる場所でなければ、実力を発揮することができません。

 企業側へうまく交渉したり、相談したりするスキルも大切になってくるでしょう。殊に日本人は控えめだと言われており、なかなか自分の本心を他人に明かしたがりません。しかし、最初から意思表示をせずに相手に合わせてしまうと、自分が妥協することになり、どこかに不満が燻ってしまうことになりかねません。

 一方、スキル・経験が未熟で実力が伴わないにもかかわらず、「こうしてほしい」「あれはダメ」など、権利ばかりを主張していると、逆に「面倒な人」と嫌煙されてしまうおそれがあります。交渉に際しては、自分が貢献できることや強みをどれだけ持ち合わせているか、点検しておきたいところです。

 これから、私たちの働き方は、ますます変化していきます。今自分に何ができるか、これから何をしていきたいかをじっくりと考え、自分を磨き続けることで、理想とする働き方へ近づいていくのではないでしょうか。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA

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