「発信したい」理由をホンネで考えよう

 とはいえ、慣れないことを始めるのはやはりおっくうだし、時間がかかることですよね。やりたくない、をやりたい、というモードに変えるのには大きなエネルギーが必要です。そこでまず考えて欲しいのが、あなたが「発信力を向上させたい」と思う理由です。どうして発信力向上が必要なのか、その状況がどれだけ切実かをよく考えてみましょう。なぜ必要かがきちんと理解できれば、あとは行動するだけ! と覚悟が決まります。

 ポイントは建前でなく、自分のホンネを見据えることです。「将来のスキルアップのため」などという耳あたりの良い言葉は建前の可能性が大きいので注意しましょう。耳あたりが良い言葉で自分を納得させてしまうと、発信力を向上させなければならない切実な理由が見つからず、つい後まわしにしてしまうのです。

 例えばあなたに「営業職なのに口ベタのままでは食いっぱぐれてしまう」という危機感があるなら、危機感がある、と認めてしまいましょう。発信力を向上させるのは手段であって、「食いっぱぐれない」ようになりたいということがあなたのホンネであり、目的かもしれないのです。

 余談になりますが、口ベタだから営業職が無理ということも思い込みのことが多いです。仕事柄たくさんの優秀な方に出会いますが、口ベタで多くを語らなくても、それが誠意を感じていい、とたくさんのお客様に支持される営業マン、営業ウーマンも数多くいらっしゃいますよ。

 笑い話のようですが、「運動したい」「早起きしたい」などずっと思っててるのにできない、という人のホンネを引き出すと、実は運動したくなかったり、早起きしたくなかったりするのです。ホンネは「健康診断にひっかからないようにしたい」「モテたい」ということがあります。だとすれば、「運動」「早起き」以外の手段で自分のホンネを満たすための方法はたくさんありますよね。

 もちろん、ホンネを探って「私はそこまで発信力を上げなければいけない切実な理由はない」と分かってしまったら、無理に発信力を上げなくてもOKです。今までそこに使っていたエネルギーを、どうか他のところに使って下さい。

 ホンネを探り、「やっぱり私は発信力を向上させたい」と思ったのなら、いよいよ発信力向上のためのアクションに進んでいきましょう。