「相手目線」で考えるための二つのポイント

  では、相手目線で考える際、具体的にはどんなところに気をつければ良いでしょうか。私は事前に以下の2点を考えるクセをつけることだと考えています。

1.相手がとってくれたらうれしい反応を予測し、それを得るためにどうしたら良いか考える

2.相手が不安に思っていることを先回りして考える

 順番に説明します。

相手がとってくれたらうれしい反応を予測し、それを得るためにどうしたら良いか考える

 例えば

◎提案なら「よし、やろう!」「いつから始める?」

◎報告なら「分かりやすくまとめてくれてありがとう。これですぐに進められるよ」

◎説得なら「今まで全く反対の意見だったけれど、あなたの話を聞いて考えが変わった」

 など、あなたが提案した後、相手に言われてうれしい言葉を思い浮かべてみましょう。そのゴールから逆算して、期待する反応を得るためには自分はどう伝えたら良いのかを考えてみるのです。

相手が不安に思っていることを先回りして考える

 先ほど「人は結局のところ、自分に(自社に)どういったメリットがあるかにしか興味がない」と述べました。つまり、多くの場合「本当にそうなの?」「私が得するようになっているの?」と、あなたを疑いや不安の目で見ていると思って良いでしょう。だとしたら、最初に相手の疑いや不安を払拭するような言葉をかければ、相手も「きちんと自分の(自社の)ことを考えてくれている」と安心して聞いてくれます

 具体的には、次のような項目をチェックリストとして書き出しておき、下記の不安をクリアできるような情報を発信するようにしましょう。

□ 必然性があるか?

□ 緊急性があるか?

□ 実現可能性があるか?

□ 効果はあるか?

□ デメリットはあるか?

 この2点を意識しておくだけでも、格段にあなたの提案が通るようになりますよ。ぜひお試しください。

文/池田千恵 写真/PIXTA

この連載は、隔週金曜日に公開。下記の記事一覧ページに新しい記事がアップされますので、ぜひ、ブックマークして、お楽しみください!
記事一覧ページは ⇒ 池田千恵の「しなやか発信力」の磨き方