もう一つの方法は……

<普段の自分なら絶対に行かない環境に飛び込む方法>

 自分が大好きな趣味の集まりや、昔からの友人のコミュニティなど、普段「あうん」の呼吸でやりとりできる環境は、居心地が良いですよね。しかしその環境にどっぶり浸ってしまうと、説明しなくても分かってくれる人たちが集まっているので考えが深まらない場合があります。そこであえてコミュニティから抜け出し、自分の「文脈」が全く通じない、とても居心地が悪いところに身を置いてみるのです。ちなみにここでいう「居心地が悪い」とは、「大嫌い」「嫌な雰囲気がする」「気分が悪い」というたぐいのものではなく、「興味はあるけど、おそれ多い/ちょっと怖い」「私なんか場違いな気がする」という、自分にとってワンランク上だと感じる場所という意味です。

 そのことにより、自分が「井の中の蛙」になっていないかを確認することができ、おのずと「軸」が見えてきます。また、今まで使っていた言葉が通じないので、通じるようになるために自分を改めて見つめることができるようになります。これは、私が出版のときに大変お世話になった恩人に教わったことですが、とても効果があります。今も私は時々、「これまでの自分なら絶対に行かないだろう」と思う集まりに定期的に入ることで、自分を客観視するようにしています。

 今はSNSなどで気軽にコミュニティを見つけることができるので、ピン、ときたコミュニティにまずは顔を出してみることからはじめてみましょう。(もちろんその際に、コミュニティに入るための大きな「きっかけ」を探すのはNGですよ!)