仕事でもプライベートでも、発信力を高めることができれば、やりたいことができる環境が整う時代。せっかくの実力が発信力の弱さで埋もれぬよう、さまざまな実例をあげ、女性らしくしなやかに自己主張ができるようになる手法を、プレゼンノウハウに詳しい池田千恵さんが指南していく連載です。

製薬会社がレストランを経営する理由

 先日、製薬会社勤務の友人と、その会社が経営するカフェで食事をしながら打ち合わせをしました。最初、どうして製薬会社がレストランを経営しているのかな? と不思議に思い友人に聞いてみると、薬に頼らない製薬会社になりたいからとのことでした。

 本当の健康とは薬がなくなることです。病気やストレスが原因で薬を飲まざるを得ない体になる前に、食べるものに気を付けようという考えのもと、社内の福利厚生から食の改善をスタートさせそうです。そして実際に効果があったため、知見を一般にもお裾分けしているとのこと。以前からその会社の製品を愛用していましたが、まっすぐ筋が通った会社の取り組みを聞き、ますますファンになりました。

 今回の出来事から、人は筋が通ったものや出来事が好きで、一見筋が通ってないと感じると、筋が通るための理由を探したがる生き物なのではないかと感じました。「どうしてその企業(人)が、このような事業(行動)をするのか」の理由を聞き、その企業(人)らしいな、と納得できることに安心感や親近感を感じるのです。

(C)PIXTA
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