アドバイスは求めている人にだけするようにしよう

 実は、ルールは極めてシンプルです。

1.アドバイスをくれ、と言われたらアドバイスする。アドバイスを求めていない場合は何も言わない
2.「こうしたらいいのに」のモヤモヤは、一般化して文章にして発信し昇華させる

 順番に説明しましょう。

 私たちは自信があることや勉強して得た知識に対しては、「ああしたほうがいいのに」「こうしたほうがいいのに」と、心の中で、やや上から目線でいろいろ言いたがります。

 例えば私の場合、資料作成やプレゼンを教えていて「発信」に興味があり過ぎるので、1日中そのことばかり考えてしまうこともあります。先日は、自宅の外壁を塗り直すために塗装工事の業者さんがいらっしゃり、業者さんがどうやって見積もりの説明をするのかを思わず観察・分析していました。「私だったら松竹梅、三つの額の見積書を持ってくるけど、この人は二つだったな。どっちの見積もりを選ぶと思って持ってきたのかな」とか、「最初に料金のぶっちゃけ話をする前に、いかに自社の仕事が丁寧で追加費用が工数上欠かせないかを最初に言ってくれたから、予算より高かったけど納得感があったな。すごいな」というふうにです。

 もちろん、相手は自分の職業について知らないわけですし、本題と関係がない話ですから、業者さんにわざわざそんな感想などは口に出しません。普通考えれば当たり前のことですが、SNS上や、気を許している仲間には、わざわざ普段は言わないことを言ってしまうものです。

 あくまでも、アドバイスは求められたときだけするようにしましょう。求められてもいないのにアドバイスをすると、よかれと思ってしたことを「余計なお世話」と誤解されるのでもったいないです。

 蛇足ですが、アドバイスを求める側として気を付けるべきこともお伝えしておきます。その道のプロ(それを職業としている方)に、無料でアドバイスを求めるのは、プロとして誇りを持って身に付けた知識を「タダのようなもの」だと判断していると思われて失礼に当たりますので気を付けてくださいね。