仕事でもプライベートでも、発信力を高めることができれば、やりたいことができる環境が整う時代。せっかくの実力が発信力の弱さで埋もれぬよう、さまざまな実例を挙げ、女性らしくしなやかに自己主張ができるようになる手法を、プレゼンノウハウに詳しい池田千恵さんが指南していく連載です。

過去の自分に「リベンジ」できますか?

(C)PIXTA
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 以前、トライアスロンをライフワークとしており、趣味にとどまらずプロが出場する大会でも活躍している経営者の先輩から、こんな話を聞きました。

 「前に大会に出た時、あ、もしかして死ぬかも、と思ってしまうくらい大変でリタイアしたんだけど、このまま終わらせるのは悔しかったから、次の年の大会にもう一度出た。そこでは納得がいく結果を残せた」

 これを聞いた当初は、とても驚きました。死ぬかも、というほどの辛い目にあったら、私だったら悔しいというよりも、同じ目にあったらどうしよう、と思ってしまい、怖くてもう無理! となるのではないか、と。

 その一方で、自分にとっての辛い経験、思い出したくない経験も、もう一度挑戦することによって、良い思い出に「上書き保存」することは可能なのだ、と感じました。

 この先輩ほど壮絶な経験ではないですが、振り返れば私も、失敗を良い思い出にしようと「上書き保存」していった経験がありました。