仕事でもプライベートでも、発信力を高めることができれば、やりたいことができる環境が整う時代。せっかくの実力が発信力の弱さで埋もれぬよう、プレゼンノウハウに詳しい池田千恵さんが指南していく連載です。

「働き方改革」で、働きぶりのプレゼンが必要に?

働き方が柔軟になるのはうれしいことですが…… (C) PIXTA
働き方が柔軟になるのはうれしいことですが…… (C) PIXTA

 「働き方改革」という言葉が新聞やニュースで目に入らない日がなくなりましたね。2017年3月14日の日本経済新聞朝刊では、首相が示した9つのテーマとして、次のようなものが挙げられていました。

1.同一労働同一賃金など非正規の待遇改善
2.賃上げと労働生産性の向上
3.長時間労働の是正
4.転職・再就職支援。格差を固定させない教育
5.テレワーク、兼業・副業など柔軟な働き方
6.働き方に中立な社会保険制度、税制。女性・若者の活躍
7.高齢者の就業促進
8.病気の治療、子育て・介護と仕事の両立
9.外国人受け入れの問題

 弊社でも、3番の「長時間労働の是正」と5番の「テレワーク、兼業・副業など柔軟な働き方」の解決策として朝時間の見直しを含めた働き方見直しコンサルティングを受けることが増えてきました。いろいろとヒアリングしたときに出てきた悩みで、次のようなものがありました。

「今でさえ、上司に、自分がどれだけ忙しいかをうまく伝えられていなくてむちゃ振りされることがあるのに、テレワークや裁量労働制が始まったら、どうやって周囲とコミュニケーションしていけばいいのでしょうか」

「一生懸命やっているのに、いつも「もっとやれるよね?」と言われてしまう。一生懸命感を醸し出したいのだけど、どうしたらいいでしょうか。今後、対面することなく成果を効果的にアピールするのはハードルが高いです」

 事務作業など、周囲に業務内容が見えにくい職種は特に、普段でも隣の人がどんな仕事をしているかを知ることは難しいものです。その上テレワークにより「仕事ぶり」が視界にさえ入らない状態が増えていくと、今後は「自分がどのぐらい働いているか」を、毎日接することがない相手に適切にプレゼンする力がますます必要になってくることでしょう。「仕事ぶり」をどう表現するかに悩み、日々残業……となったら本末転倒ですし、その作業自体にストレスを感じる人が増えれば、働き方改革どころではありませんよね。