ポイント3
結論が先! プロセスは後まわしでいい

 以前、米国非営利団体キッズスペースファウンデーション代表で、ニューヨーク在住の教育研究家、大庭コテイさち子さんの講演を聴く機会に恵まれました。大庭さんは論理的で説得力がある文章とはどのようなものかを研究しています。彼女の言葉で印象的だったのが「分かりにくい文章はおまんじゅうのような文章構造になっている」というものでした。おまんじゅうのように、一番おいしい「あんこ」の部分を最後まで包み込んで見えなくしているために、話を聞いていても要点が見えにくい、というわけです。

 例えば、何か質問をされたとき、「●●なので××です」と、理由から話して答えを最後に持って行くのが「おまんじゅう話法」です。そうではなくて、「××です。理由は●●です」と、質問をされたら簡潔に答えを先に言ってしまい、その後で理由を言うようにするだけでもわかりやすさは格段に違ってきます。

 ビジネスコミュニケーションにおいての行き違いは、ほとんどが「おまんじゅう話法」が原因のような気がします。「質問に対して答えていない」と言われてしまう人や、今言おうと思ったのに、言う前に話を遮られたという経験がある人は、特に最後に大事な話をとっておく「おまんじゅう話法」をしていないか振り返ってみると良いでしょう。

 相手が自分の期待する通りの反応を示してくれない時は、自分の「伝え方」に問題がなかったかを、上記3つのポイントから振り返ってみましょう。

 「で、要点は何なの?」を聞かれたり、相手が思うような動きをしてくれなかったりという不満から解消され、仕事ができないヤツ、というレッテルを貼られずにすみますよ。ぜひお試しください。

文/池田千恵

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