私たちのまわりにはたくさんの呪いがある

 前回の記事“「逃げ恥」平匡さんに学ぶ、動けない自分を変える方法”では「逃げ恥」を発信力強化の観点から考察しましたが、百合ちゃんの次の言葉に救われた方も多いと思います。

「私たちのまわりにはね、たくさんの呪いがあるの。あなたが感じているのもそのひとつ。自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい」

 相手から「呪い」の言葉を受け続けていると、いつか自分までその価値観の「呪い」にはまってしまいそうになります。しかし、面と向かって戦ったり、うまい言い返し方法を考えたりしても、その場ではスカッとするかもしれませんが、相手の考え方を根本から変えることはできません

 長年染みついた価値観で生きている相手に、自分の価値観を分からせようとすることほど不毛なものはありませんし、逆に反感を買い、さらに強い呪いをかけられます。ここは相手の言葉をうまくかわし、呪いを自分に直撃させないのが一番賢い方法です。

思い込みの「呪い」に毒されないための自衛策とは?

 頭では分かっていても、周囲の呪いの言葉に傷ついた時におすすめなのは、自分の心の声を「イラッとした」「もやっとした」という言葉で終わらせずに、心の変遷を細かく実況中継することです。そのことによって、感情的になりすぎずに一歩引いた視点で見つめ、相手にどう接したら良いかも考えられるようになります。その上、気持ちを表現する上での語彙力も鍛えられます。

 自分の思いを「イラッと」「もやっと」だけで終わらせ続けていると、あなたのせっかくの感情の機微までも「もやっと」したものになります。「もやっと」した言葉は相手にも正しく届かないため、相手を説得したり、しなやかに発信して自分の主張を届けたりことはできません。ぜひ思いを言葉にして記録しておくことを習慣にしてくださいね。

 では、具体的にはどのようにすれば良いでしょうか。次で説明していきます。