また、企業の人事部サイドの視点からも、男性がこの11日間の産休を取得することで、働く女性に対する社員全体の理解が深まってきているという。
「11日間泣き叫ぶ赤ちゃんと向き合えば、子育てがどれだけ大変なのか十二分に分かる人がほとんどよ。お風呂に入る時間もない、寝る時間もない、食べる時間もない。そういう経験をして初めて、分かると思うの。
仕事と家庭を両立するのがいかに大変で、一人では絶対にできないことだということをね。そういった経験を男性がすることで、子育ては女性の役割でなく、夫婦の役割として二人で真に向き合うきっかけとなる」
国の政策や法律によって、いわゆるトップダウンで、女性登用や育児休暇の義務付けをすることには、賛否両方の意見がある。
しかしコンスタンスの話を聞いていると、長年にわたって築かれた人々の価値観や物事の見方を変える手段として、トップダウンの政策の有効性や重要性も改めて感じた。
文・写真/大倉瑶子