女性は、キャリア昇進のネガティブ影響を考える

 つまり、男性に比べて女性は、キャリア昇進のポジティブな影響よりネガティブな影響を「見ている」という。

 別の実験では、対象者に職場で昇進の機会が訪れた場合、昇進によるネガティブな影響(ストレス、時間管理、人間関係など)とポジティブな影響(満足度、給与、影響力など)の度合いを1から7までの数値で予想してもらった。

 すると、ポジティブな影響の度合いの予想は男女差がないものの、女性はネガティブな影響を予想する傾向があるという。さらに、多くの女性は昇進は可能であるものの、必ずしも理想ではないため断る可能性があると答えたのだ。

ハーバードの女性でもあえて昇進は選んでいない

 実験対象者を、ハーバード・ビジネス・スクールの学生、学部生、卒業生にまで広げても同様の結果が出たという。女性活躍推進や機会平等への認識が高まるにつれ、ハーバードの多くの女性は男性と変わらない結果を手に入れられると、考えるようになった。20~30年前は、この点ですら男性と女性で差が出ていただろう。しかし、それでも必ずしもキャリア昇進はポジティブなことではないと考え、多くの女性はあえて管理職やリーダーになることを選んでいない可能性があるのだ。