Q.ほめられたら妬まれることも。どう受け取るのがいい?

◆妬むタイプの人の前でほめられると、困ってしまいます……。(28歳、商社、一般事務)

A.サラリと受け取り、方向転換。「ありがとうございます。ところで……」を練習して

 せっかくほめてもらったのに、素直に受け取りづらい状況はつらいですよね。でも、こんなときにはサラリと「ありがとうございます!」と言って、すぐに話題転換。「ところで○○の件なんですけど……」と別の方向に誘導し、言ってくれた方に感謝はしつつも、話を引きずらないようにしましょう。

 妬む人の気配を感じたら、気まずさからついつい「そんなことないですよ」「いやいや私なんて……」と言ってしまいがちですが、謙遜すればするほど、その話題は長引きます。「いやいや私なんて……」「いやいや本当にすごいよね」「いやいや……」と、話が続いていけばいくほど、妬む人の視線はさらに強く、厳しいものになっていきます。

 自分を守るためには、一度受け取ってから、「ところで」や「そういえば」というワードを使って、サラリと方向転換するのがオススメです。

Q.部下をほめない上司。ほめてもらえたら、もっと頑張れるのに

◆今の職場では、ほめられている人を見たことがありません。いつも難しい顔をしている上司を見ると、「たまには部下をほめれば、みんなもっと頑張れるのに……」と思います。(28歳、情報通信、営業事務)

A.ボスマネで上司を動かし、「ほめ」の文化を広めてみよう

 ほめる文化がない職場では、自然と笑顔も少なくなるのではないでしょうか。「いつも難しい顔をしている上司」という言葉からも、職場の空気感が伝わってきます。私もこの方と同じように、部下の「いいところ」に目を向けられる上司が、一人でも増えることを願って、この連載を続けてきました。

 ただ、この環境に慣れてしまっている上司が、明日から急に変わることはないと思います。だとすれば、いっそのこと自らの手で、上司をマネジメントしてみるのも一つの手。もしもこの状況に苦痛を感じ、自分自身の働くモチベーションが落ちてしまっているのなら、ボスマネをすることで職場の空気を変えられるかもしれません。

 ボスマネジメントとはいっても、難しく考える必要はありません。連載5回目の「上司をマネジメント 気持ちよく動かす『ほめ方』とは」でもお伝えしましたが、感謝やねぎらいの言葉をかけることも、ボスマネジメントの一環。普段、あまり「感謝をされない存在」である上司のポジティブな面を探して、積極的に「ありがとうございます」や「お疲れさまでした」と声を掛けるだけでいいのです。そうすれば、「難しい顔」から、時々は「笑顔」が出てくるかもしれません。

 慣れてきたら、連載8回目の「改善点の伝え方 やる気を引き出す「たった一言」とは」でお伝えした、「ほめリクエスト」を試してみるのもいいと思います。「この前お渡しした資料ですが、○○さんのお役に立ったところはありますか?」というように、さりげなく自分の「いいところ」や「よかったところ」に目を向けてもらえるように、上司をマネジメントしてみるのです。あなたの職場の空気が変わり、「ほめ」の文化が広がることを願っています。

 それでは次のページでは、読者の方が体験した「ほめ」に関するエピソードを紹介します。