チーム内でも好循環を生む自己効力感
またチームのマネジメントという観点で考えても、各メンバーの自己効力感は、できるだけ高いほうがいいと思います。なぜなら、それぞれが高いと、チーム内で「代理体験」ができるからです。
チームメンバーの成長をサポートすれば、自分に返ってくる!?
◆エディ先生のワンポイント解説◆
チームのメンバーが成果を上げる様子を見ると、「自分も同じようにできる」と思い、さらに自己効力感が高まります(代理体験)。そして自己効力感がアップした結果、新しいことにチャレンジして成果を出せば、新たな「成功体験」が手に入るという好循環が生まれます。
また、もしチームに自己効力感が低い人がいたら、そのメンバーをサポートすることで、「自分は他者に貢献できる」という「成功体験」を得ることができます。そして自信を持てていなかったメンバーの自己効力感がアップし、その人が努力をして結果を出せば、「他者の成長を見る」という「代理体験」もできます。
まさに、情けは人のためならず。チームメンバーの成長をサポートすると、巡り巡って、自分の自己効力感も高まったり、チーム全体の効力感も高まったりするのです。
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もしも職場に、自信がなく自己評価の低いメンバーがいるのなら、ぜひ自己効力感を高めるアプローチをしてみてください。
きっと、自分にとってもチームにとっても、よい効果が生まれてくると思います。
*今週の宿題*
本人が気付いていない「成長」を見つけて、部下に伝えてみましょう。至らなかった点やダメだった過去を強調するのではなく、本人が努力をして達成した「肯定的な面」に焦点を当てることがポイントです。
脳科学者、早稲田大学研究戦略センター教授。
東京大学大学院薬学系研究科博士課程を修了し、薬学の博士号を得る。早稲田大学ビジネススクールにてMBAを取得。マーケティングをはじめ、意思決定、モチベーション、リーダーシップ、クリエイティビティなどを脳科学の視点で解説する。著書に、「記憶のスイッチ、はいってますか~気ままな脳の生存戦略~」「『脳が若い人』と『脳が老ける人』の習慣」などがある。
聞き手・文/青野梢 イラスト/北村みなみ 写真/PIXTA