渡邉さんが過去に選んだ手土産の成功例は
渡邉さんが秘書時代に非常に喜ばれた手土産として特に心に残っているものは、上司がグループ会社内で表彰された際、渡邉さん自身が上司の夫人に贈ったブーケとお菓子。ブーケを贈ったのは、普段から夫人がとても花やガーデニングが好きだと聞いていたからだ。これに添えたお菓子は、当時日本に上陸したばかりだったパリ発の菓子店ラデュレのマカロンだった。夫人に贈り物をしたのは、上司の表彰は健康管理や身の回りのお世話を陰ながら支えた夫人がいたからこそのことと考えたからだという。
もっとも、リサーチしても相手の情報が得られない場合は、渡邉さんは、クッキーなどの焼き菓子や飲み物を手土産候補に挙げる。焼き菓子は、甘いものが苦手な人には不向きなのではと思うが、これが案外、「万能手土産」であるらしい。
「人により甘党の方、甘いものが苦手な方と好みはさまざまですが、最近のクッキーの詰め合わせには、甘いものだけでなくチーズや黒コショウを使った甘くないクッキーも入っていることが少なくありません。そうした商品であれば、どなたでも召し上がることができます」と渡邉さん。ポイントは「詰め合わせ」を選ぶことだ。
「また、個包装になっている商品を選べば、ご自身やご家族が召し上がらなくても、日持ちもしますから、先方に来客があった際に振る舞えます」（渡邉さん）
【お菓子の詰め合わせ】
オーボンヴュータン（東京・尾山台など）の焼き菓子
手に入れられる店舗が限られているため、喜ばれる。（関東地方・40代・秘書歴19年）
パティスリー・サダハル・アオキ・パリ（東京・丸の内など）の焼き菓子
おしゃれなパッケージで、パリで活躍する日本人パティシエ、青木定治氏ご本人についての話題などで会話が膨らんだ。（関東地方・30代・秘書歴10年）
アトリエうかい（神奈川県・たまプラーザなど）の「フールセック」
フールセックは焼き菓子の詰め合わせ。持ち運びがしやすく、味と見た目がしっかりしている。（関東地方・30代・秘書歴3年）
リリエンベルグ（神奈川県・川崎市）の焼き菓子
パティシエの方がNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられ話題性がある。百貨店で販売していないので希少。（関東地方・50代・秘書歴20年超）
浪芳庵（大阪市・浪速区など）の「おかもち」
和菓子の詰め合わせだが、木製の3段のおかもちに入っており、風呂敷で包んでくれるので見た目がおめでたい印象で、ご契約時の手土産としてとても喜ばれた。（近畿地方・30代・秘書歴10年）
ツマガリ（兵庫県・西宮市など）の焼き菓子
おいしいと評判だった（近畿地方・40代・秘書歴20年超）
お茶やハーブティーも喜ばれる
飲み物では、お茶やハーブティーが活躍する。相手があまりお茶やハーブティーを飲まない場合でも、やはり日持ちがし、来客時に利用することができるからだ。
「今は、健康に気を使っている方が多いので、糖質やカロリー制限されている場合は、カロリーのない飲み物が適しています。特別感を出すならば、最近はワインボトルに入った高級な水出しの煎茶もあります。その方が飲まれなくても、来客時や親族が集まったときに話のタネになるでしょう。また、飲むお酢も多くの人に喜んでいただける飲み物の一つ。水でもアルコールでも、割っておいしくいただけるので、お酒を召し上がる方、召し上がらない方、両方の好みに合わせることができるからです」（渡邉さん）
【飲み物の手土産】
丸山珈琲（長野県・軽井沢町など）のコーヒーの詰め合わせ
先方の奥様への土産にちょうどいいと喜ばれた。（関東地方・30代・秘書歴4年）
一保堂茶舗（京都府・中京区など）のお茶
日本茶はインドなどでも喜ばれる。（関東地方・50代・秘書歴15年）
HACCIのアフタヌーンティーセット
ハーブティーや蜂蜜やお菓子がセットになったもの。女性が多い会食事によく利用。（関東地方／30代・秘書歴6年）
最後に渡邉さんが教えてくれたのは、女子会ホームパーティーで喜ばれる手土産、カツサンドだ。「女性ばかりの会では、『インスタ映え』する彩りがいいサラダやオードブル、チーズ、スイーツを持って来る人が多いので、内容がかぶりやすいんです。また、こうした食べ物は華やかだけれどおなかにたまらず、長時間おしゃべりをしていると小腹がすいてしまうんですね。だから、カツサンドを持って行くと、とても喜ばれます」。
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