自分のことはもちろん、上司もスケジューリングするのが秘書の仕事。多方面から頼まれる仕事をさばき、ミスがないように終わらせなければいけません。現役秘書さんに1分1秒も惜しい毎日の中で、どのように仕事を効率化しているのか、独自のスキルを教えていただきました。

村木万葉さん(34歳)・秘書歴7年半
村木万葉さん(34歳)・秘書歴7年半

 現在、外資系企業で会長秘書を務めている村木万葉さん。ボスのスケジュール管理などの秘書業務以外にも3部署の営業事務、経理を担当しています。村木さんはワーキングマザーでもあるため、これらすべての業務を9時30分~16時30分の時短勤務中に終わらせているというから、もはや神業です!

 「秘書歴7年半になり、どんなトラブルにも対応できるようになりました」とはいうものの、いったいどうすれば日々の業務を遂行できるのでしょうか。

 まずは村木さんの1日のスケジュールを追っていきましょう。

<秘書職・村木万葉さん 12月某日のタイムスケジュール>
6:00 起床、身支度、朝食
7:00 子ども起床、登園準備
8:00 保育園登園、出勤
9:00 <始業> ★手帳を開き、当日のスケジュール・TO DOリストをチェック
10:00 営業事務・経理業務(経費精算、請求書発行リマインド)
秘書業務(到着時刻の連絡、予定先に電話・メール)
営業事務・経理業務(手配漏れ確認メール)
11:00 営業事務・経理業務(新規プロジェクト登録、納品チェック)
営業事務・経理業務(新入社員への説明、請求書発行・発送)
12:00 秘書業務(打ち合わせ、お弁当手配)
13:00 <外出> ランチ(来客用軽食の買い物と忘年会の会場下見も兼ねる)
14:00 秘書業務(忘年会の手配・連絡・注文)
15:00 秘書業務(年末ギフト手配・封入・発送)
16:00 <終業まで1時間> ★TO DOリストのやり忘れチェック
17:00 <終業> 手帳は会社に置いて、退社
18:00 保育園お迎え
19:00 お風呂、夕食
20:00 子どもとヒーローごっこ
21:00 子ども就寝……希望かなわず遊びが続く
22:00 やっと子ども就寝
23:00 メールチェック、読書など
24:00 就寝

 まさに朝起きてから出社後、そして帰宅してベッドに入るまで、息つく暇もない忙しさ。ただ、その日に取り掛かる仕事の順序はあえて決めていないそうです。その理由は?

 「各方面からさまざまな指示が飛んでくるため、『何時に○○をする』と細かく決めていても、その通りにはいかないためです」と村木さんは説明します。

 仕事の進め方のポイントは、「毎朝、デスクで手帳を開いたら『今日中にすべきこと』を確認すること」だそう。すべきことを俯瞰(ふかん)することで、臨機応変に進めることが可能になるといいます。また終業1時間前には、やり残しがないかどうかTO DOリストを再チェックすることで、仕事を自宅に持ち帰ることを防ぐことができるといいます。

 そんな村木さんの具体的な仕事の手法は、次のページにまとめました。