「眠る前には、部屋をできるだけ暗くしてメラトニンの分泌を増やしましょう。明るい環境にいたり、パソコンやスマートフォンを見続けたりしていると、メラトニンが減少して眠りの質が落ちます。暗くするのが難しいなら、煌々とした蛍光灯の光を避けて穏やかなオレンジ色の照明にしたり、パソコンを使うときにブルーライトを遮断するメガネをかけたりするだけでも効果的です」(小林さん)。

 就寝前には光を避けて、メラトニンを分泌させる。その反対で起床後は、積極的に光を浴びるといい。メラトニンは、朝しっかりと光を感知すれば減少する。すると、分泌リズムにメリハリが生まれて、夜に増えやすくなるのだ。だから、目が覚めた時には窓の近くで光を浴びたり、明かりをつけたりするといいのだという。

 また、朝の光を浴びることには、目覚めを良くする効果もある。メラトニンが減ることによって、眠気が覚めてスッキリと起きられるのだ。

メラトニンを分泌させるコツ

・寝る前は、できるだけスマホやパソコンを見ない(見る場合はブルーライトをカットするメガネを着用)
・寝る前は、蛍光灯ではなくオレンジ色の電球色の間接照明を活用
・朝起きたら光を浴びる

そしてもう一つ、眠りの質と深く関係するのが深部体温のリズムだ。

味方につけたい生体リズム【2】深部体温

 深部体温とは、脳や内臓といった身体の内側の体温のこと。深部体温には、起床11時間後に最も高くなり、徐々に下降して16時間後から急降下し、22時間後には最も低くなるというリズムがある。

 たとえば朝6時に起きた場合、午後5時にピークに達し、その後は低下し続けて、夜10時から急降下して朝4時ごろに最も低くなる、という感じだ。

 「深部体温が高いときには心身の働きが活発になり、低いときには深い眠りにつくことができる。こうした体温のリズムと生活リズムをうまく合わせることが、質の高い睡眠を得るコツです」と小林さん。