SNSを見てモヤモヤ、他者から言われた言葉に必要以上に傷つく。仕事が予定通りに進まなくてイライラ――世の中も自分も「不寛容」だと感じていませんか。心理カウンセラーの下園壮太さんが、自分を追い込まずに寛容力を育てていくコツを教えてくれます。5回目は、イライラさん、グチグチさんなど職場で「困った人」に接し、疲れてしまったときの乗り切り方をお伝えします。

イライラしている人に困っていない?

 じわじわと慢性的にストレスを加えてくる「困った人」はあなたの周りにいませんか? 直接、自分に危害を加えてくるわけではないけれど、その人に会った後はなぜかぐったり疲れてしまう、というような人間関係に心当たりがある人も少なくないでしょう。

 そんな「困った人」の中でも今回は、「イライラさん」「グチグチさん」の2タイプについてお話ししましょう。

 1タイプ目は、「イライラさん」。

 イライラさんは、例えるなら、 第3回「優秀な人ほど間違えている? 感情の『下げ方』」で紹介した「赤コンピューター」状態がデフォルトになっているようなタイプの人です。

 私のところにカウンセリングに来た人が、話の流れで、「職場に、いつもイライラしたり、ため息をついたり、大声で誰かの悪口を言ったりしている人がいます。本人も困っていると思うからなんとかしてあげたいと思うのだけど、どう声をかけたらいいんですかね」とおっしゃいました。

 私が「なるほど、そうおっしゃっているあなたが一番困っているのかもしれませんね」と言うと、その方はハッとしていました。

「彼女、ずっと隣で何かに怒っているんです…」 (C) PIXTA
「彼女、ずっと隣で何かに怒っているんです…」 (C) PIXTA