相手には自分と同等かそれ以上の知識・経験、学歴・仕事能力を求めます。(27歳、金融、営業、独身・未婚)
*同様意見、多数

(マッチング)アプリで年収を見て、自分(手取り600万円)より低いとそれだけで対象外にしてしまう。人柄は見ない。(35歳、サービス、営業、独身・未婚)

基本的に自分の価値観と同じような人を求めるので、おのずと一般的には高スペックの人になる。(39歳、情報通信・IT、技術職、既婚・子どもなし)

相手に自分と同等あるいは自分以上のバックグラウンド(知識や経験やキャリアなど)を求めているので、出会い自体が少ない。(42歳、医療・介護関連、販売、独身・未婚)

高校までの学習内容を背景とした会話(古典のフレーズや科学知識を基にした話など)が成立しない相手とは、気持ちが深まりにくい。(40歳、学術研究・技術サービス、研究開発、既婚・子どもあり)

 ここで一つ言えるのは、「自分は勉強も仕事も頑張ってきた → 相手も自分みたいな人じゃないと価値観が合わない → そういう人は知識も教養もあるし、良い仕事に就いているはず → 必然的に収入も多いはず」と考える人が結構いるということです。一見すると筋は通っていますが……。

恋愛相手は「職場の同僚」ではない

 このようなドラミ系女子の主張を好意的に解釈すると、以下のような声に集約されます。

自分が勉強を頑張ってきたので、相手も勉強を頑張ってきたことがある人であってほしいと思う。(27歳、法律事務所、既婚・子どもなし)

 その結果としての「自分と見合った相手=高スペック男性」というわけです。

 「自分が◯◯だから、相手も◯◯であってほしい」という考えは、「私はこれだけの成果を上げているんだから、そこまでの成果を上げていない△△さんが私と同じ職位なのはおかしい」といった職場的な発想に似ています。前編でも分析した通り、ドラミ系女子は物の考え方が「仕事」になってしまうことが多いのです。

 また、(女である)私が高スペックなんだから、(男である)彼も当然同等かそれ以上であるべき――というのは、「基本、男が上」を前提とした考え方と言えるかもしれません。

 さらに、アンケートでは「交際相手によって自分が成長できるか」を問題とする方もちらほら。

同棲していた相手は、私が新たなポジションにチャレンジしていたことをあまり良く思っていなかったらしい。結果、この人と長く一緒にいてもお互いの成長はないと感じ、別れた。(33歳、商社、営業、独身・未婚)

 「成長し続けたい」――その気持ちはよく分かります。ただ、「自分が成長する」というメリットをパートナーに求めてしまうと、何らかの理由で自分の成長が停滞した際、一番の理解者であるべきパートナーを責めるような気持ちになってしまうかも。恋人を、自分のスペックアップのための「外部環境要因」にしてしまっていいのでしょうか。

 成長とは、本来、「するもの」であって、「させてもらうもの」ではありません。自立・成熟した大人は自分自身で成長します。努力家のドラミ系女子なら、きっと、自分自身で成長し続ける強さと勤勉さを持っているはずです。