団塊、バブル世代が信奉した“古い常識”を見直せ

 多くの人がこれまで、無理をしてローンを組み、持ち家を買い求めてきた最大の理由は、土地の価格が右肩上がりで、若い頃に無理をしてでも購入しておけば、確実な資産形成になったからです。

 そんな土地神話が崩壊した今、多大なリスクを抱えて庶民が持ち家を持つ選択をする必要性はほとんどないように思えます。「自宅を持って初めて一人前」といった旧態依然とした価値観はこの先、どんどんナンセンスになっていくでしょう。

 持ち家論に限らず、日本は今、それまで多くの人が信じてきた様々な常識を見直すべき時期に来ているのかもしれません。ビジネスの進め方然り、進路選択然り。

 賃貸派の最大の不安は「高齢になって引っ越そうとすると家を貸してもらえない」というものでした。それが石川さんの言う通り杞憂であるのなら、賃貸派として生きていく上でのデメリットは、もうほとんどない気がします。

文・聞き手/鈴木信行


「宝くじで1億円当たった人の末路」
 著者:鈴木信行
 出版社:日経BP社

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