田舎と都会、向いてるのはどっち?

――なぜ、書籍でも紹介されている「『疲れた。海辺の町でのんびり暮らしたい』と思った人の末路」が、黒川さんにおすすめなのでしょうか?

鈴木:海辺の町での暮らしを想定し、千葉県館山市への移住支援を手掛ける方に取材をしたところ、社交性のある人なら田舎でも有意義に暮らせるのではないかという結論になりました。黒川さんには幼少期に培ったコミュニケーション能力があるため、田舎でも自分のペースを崩さず、楽しく暮らしていけるかなと思ったんです。

黒川:そういえば幼い頃、週末になるといつも富士山の麓のログハウスへ行っていました。東京都の街中に住んでいて自然に触れる機会がほとんどなかったので、緑の豊かな場所で手作りのブランコに乗ったり、ログハウスのデッキを作ったりして遊んでいたんです。この項目を読んだ時にそれを思い出して、田舎暮らしをするのもいいなと思いました。

鈴木:都会の喧騒から離れれば、体も休まりそうですね。実は僕も、自分自身が仕事に追われて「疲れた。海辺の町でのんびり暮らしたい」と思ったときにこの末路を調べ始めたんですよ。のんびり暮らせばストレスから解放されるんじゃないかと思って。

黒川:実際、田舎で暮らすとストレスは軽減されるんでしょうか?

鈴木:それが、そうとも限らないんです。例えば、田舎に生活拠点を移してもバリバリ働き、人間関係が濃厚な田舎社会でもたくましく人付き合いをしていこうと考えている人は問題ないでしょう。一方で、蓄えを取り崩しながら生活し、読書したり散歩したりしながら静かに暮らそうと考えている人は要注意です。資産の絶対額にかかわらず、預金が減り続けるプレッシャーは相当なものだそうですよ。

黒川:ドラマでは、Kis-My-Ft2の二階堂高嗣さん演じる萩原利樹が突然「田舎でのんびり暮らそう!」と家族に提案し、すぐに引っ越していましたが……。

鈴木:そういう人こそ、考え直したほうがいいでしょう。本来であれば人を呼び込みたいはずの移住支援者でさえ、勢いで決めてしまった人には「慣れ親しんだ土地に戻ったほうがいいかもしれない」と声をかけているそうです。何人もの移住者を見ていると、田舎が合わない人が分かるようになるそうですよ。その話を聞いて、僕も勢いだけで決めようとしていたと反省しました。そして結局、住み慣れた東京で暮らし続けています。

黒川:私も、やはり東京暮らしのほうが合っているのかもしれませんね。ストレスフルな都会暮らしでも、うまく体を休息させられるといいんですが……。何かいい方法はないのでしょうか?

体を休ませるのに最適な睡眠時間は?

――依然として厳しい労働環境で働く人が多いなか、正しい睡眠法について各メディアでさまざまな主張が飛び交っています。一部の自己啓発本では3時間睡眠が推奨されていますが、果たして人は何時間寝れば体を休ませることができるのでしょうか?

鈴木:睡眠の専門家に取材をした結果、人それぞれ最適な睡眠時間が違うことが分かりました。もともと私は毎日8時間以上寝なければ疲れが取れないロングスリーパーで、ビジネスマンとしてこのままでいいのかと悩んでいたんです。しかし取材を通して、最も大切なのは「自分に合う睡眠時間を見つけること」だと学びました。

黒川:確かに、短時間睡眠で生き生きしている人もいれば、長時間寝てスッキリする人もいますしね。私はどこでも寝られるタイプなので、撮影が忙しくて夜ちゃんと眠れなくても意外に元気なんです。

鈴木:体質にもよりますが、たとえ短時間でも深い眠りなら体はリフレッシュしているそうですよ。

黒川:もしかしたら、自分に合った姿勢で寝ているからかもしれません。日ごろから体調を見てもらっているトレーニングの先生に、「黒川さんは顔を上げてあおむけに寝るといい」と教わったんです。肩が横に開いて呼吸が楽になるからと。

鈴木:なるほど。寝るときに適した姿勢にも個人差があるそうなので、私もいろいろ試してみると睡眠の質が変わるかもしれませんね。ただ、実は一つだけ誰にでも共通することがあるそうですよ。それは、寝る前の準備。照明の色を調整したり、スマホを見るのを控えたり、穏やかな気持ちで布団に入ったりすることが大切だそうです。

黒川:私も寝る直前までスマホを見ないように気を付けています。「私はこれから寝ますよ」と語りかけるように、少しずつ照明を暗くしています。

鈴木:とはいえ、ドラマ『○○な人の末路』の放送日はオンタイムで見なければ! ロングスリーパーな私も、その日だけは夜中まで起きてテレビを見ていますよ(笑)。

(第3回に続く)

第1回 「意外な人」の「意外な末路」が響く…「末路本」解説
第2回 自分の末路を想像できる? 「末路本」で見えるもの(この記事)
第3回 人々の「末路」が私たちの心のサプリになる理由

聞き手・文/華井由利奈 写真/小野さやか

日本テレビ 深夜ドラマ「シンドラ」第4弾「○○な人の末路」

月曜深夜24時59分スタート
主演:横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永(Kis-My-Ft2)
紹介ページ http://www.ntv.co.jp/matsuro/

日経BP社 「宝くじで1億円当たった人の末路」

著者:鈴木信行
紹介ページ http://business.nikkeibp.co.jp/special/matsuro/

末路本ドラマ化記念イベント
大島てるさんと語る、「事故物件」から読み解くニッポンの末路


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